新型ウイルスでの死者27人に、「世界を脅かす」存在 WHO

2013.05.29 Wed posted at 17:23 JST

(CNN) 世界保健機関(WHO)は29日、中東を中心に感染が広がっている新型コロナウイルスによる死者が27人になったと明らかにした。感染者数は49人。

直近の死亡事例はサウジアラビアから報告があったという。

28日にはフランスで、入院していた男性患者が臓器不全のため死去した。この段階で同ウイルスによる死者は23人目となっていた。WHOはこのウイルスを「中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス」と命名し、「世界を脅かす」存在になっていると警告していた。

新型ウイルスは、重症急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こすコロナウイルスの仲間で、WHOは23日までに、世界で44人の感染を確認した。その半数が死亡している。

WHOのマーガレット・チャン事務局長は27日、スイスのジュネーブで開かれた第66回総会最終日の演説で、MERSについて「影響を受けた1国にとどまる問題でも、その国のみで対処できる問題でもない」と指摘。「このウイルスが自然のどこに隠れているのか、どのようにして人に感染するのかも分かっていない。そうした疑問に答えるまで、予防する手立てはない」と述べ、情報を集めることが急務だと訴えた。

フランスで死亡したのは、同国でMERS感染が確認された患者2人のうちの1人。5月9日からリールの病院で治療を受けていた。同国厚生省によると、この男性はアラビア半島に渡航して感染したという。

米疾病対策センター(CDC)によれば、MERSは呼吸器系の症状を引き起こし、感染すると高熱や咳などの症状が出て、重症化すると肺炎や腎不全に至ることもある。

WHOによると、感染者はこれまでに、サウジアラビア、フランス、ドイツ、英国など8カ国で確認されている。ほとんどは既往症のある男性だという。どのようにして人に感染するのかは分かっておらず、症状が軽い場合は感染を把握できないことから、感染者の正確な数も分かっていない。

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