死亡と判断された米国女性が赤ちゃんを出産 その後、蘇生

2013.05.25 Sat posted at 16:22 JST

(CNN) 米テキサス州ミズーリシティーで心臓疾患に突じょ襲われ、医学的に一時死亡と判断された妊娠中の32歳女性が、緊急の帝王切開で女の子を出産した後、蘇生を果たす出来事がこのほどあった。

女性のエリカ・ナイグレリさんは約2週間、集中治療を受けたものの、夫のネイサン氏によると現在は健康状態を完全に取り戻した。愛児エレイナちゃんの現在の体重は約3.7キロで、酸素吸入装置を必要とし治療も続くが、今後の健やかな成長に問題はないとしている。

医師によると、エリカさんは心臓が血液を送り出すのを困難にする肥大性心筋症を抱えていたが、当人に自覚症状はなかったという。エリカさんは今回の出産や蘇生について「神の加護のおかげ」と感謝している。

夫婦は24日、おしゃぶりを口にするエレイナちゃんを伴い、CNNの番組に登場した。

夫婦などによると、高校教師のエリカさんは今年2月、同僚の教師の教室に行った際、目まいを感じ、意識を失って倒れていた。同僚3人がAED(自動体外式除細動器)などを使って手当てしたが口から泡を出し、苦しそうにのどが鳴るなどの症状に変化はなかった。

地元のCNN系列局などによると、夫ネイサンさんも同じ学校に勤める教師で、妻が倒れた当時、近くの教室に居合わせていた。直ぐに駆け付けて妻の状態を目撃し、救急医療当局に緊急通報した。混乱状態にある中で妻が3週間内の出産が予想される事情などを訴えた。

救急医療班が到着し、エリカさんを診断したところ脈拍がなく、心機能の活動停止が見つかった。病院へ即座に搬送し、医学的には死亡と判断される状態だったが緊急の帝王切開に踏み切り、エレイナちゃんが誕生した。この後、医師がエリカさんの治療を再度試みたところ、心機能が復活したという。

エリカさんは命を取り戻した後の5日間、治療がもたらした意識不明状態に陥っていた。エレイナちゃんは2週間、集中治療室に収容されていた。

エリカさんは病院に運ばれる途中のことを振り返り、救急車内にいたことや日光を見たことなどは覚えていると説明。病院到着後に、医者が「赤ちゃんが生まれた。病院内にいるよ」と語りかけたのも記憶にあった。愛児と対面したのは出産の3週間後だった。

夫婦はCNNの番組で、愛児の治療などが全て終わったら両親としてやらなければならないことは命を授かった経緯を全て娘に語り聞かせることだと指摘。エリカさんは「娘は人生で悪いことは決して出来ない」と笑いを交えて語った。

死亡と判断された女性が赤ちゃんを出産

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