リスクに対して積極的?消極的? タイプで異なる「成功」への道

2013.08.02 Fri posted at 09:00 JST

(CNN) あなたはリスクを積極的に取りますか、それとも、なるべく避けますか。あるいは、過度の楽観論や賞賛は不快ですか、それとも、朗らかな人間だと思われていますか――。

とても簡単な質問だが、人生を変えてしまう位の影響力がある。簡単に言うと、どちらのタイプかによって、目標についての考え方が異なるのだ。

最初に、「仕事をうまくこなす」という目標の動機となるものが、その人のタイプによって違うことについて触れたい。

一部の人にとってその動機とは、昇進や報酬など、何かを得る可能性であり、このタイプの人は「上昇志向型」と呼ばれる。

残る人々にとっては、「仕事をうまくこなす」ことの動機は、持っているものを守るということだ。このような「予防志向型」と呼ばれる人は危険を避ける傾向にあり、責任感は強く、トラブルを嫌う。

そして重要なのは、上昇志向型と予防志向型とでは、到達すべき目標は同じでも、戦略や長所、犯しがちな失敗などが異なるため、やり方も全く異なるということだ。自分のタイプを知り、それに合った方法で努力をすべきなのだ。

インターネット上でも自分のタイプは判別できるが、以下のような行動パターンの比較で、かなり正確にタイプの判別が可能だ。

上昇志向型の人は、創造的・革新的なほか、賭けを好み、楽観的であり、仕事は速く、チャンスを捉えるのが得意だ。その一方で、短所としては、ミスが多いほか、失敗時の備えを忘れがちで、細部に気を配れず、大き過ぎるリスクも取りがちだ。

リスクに対する姿勢は?

予防志向型の人は、計画作成に長け、思慮深く綿密、用心深く懐疑的で、ミスは少なく、分析・評価が得意だ。短所は、めったにないチャンスを逃しがちで、物事の細部に拘泥(こうでい)し、心配し過ぎる傾向がある。

いくつかの研究で、自分のタイプにあった戦略を用いることが成功への近道であることが分かっている。

姿勢

上昇志向型の人は、自信がエネルギーや集中力を高めるため、楽観的であるべきだ。悲観的な気持ちは、やる気を削ぐだけだ。

予防志向型の人にとっては、批判されることや自身を疑うことで高まる警戒心がやる気を引き起こす。一方で、過度の自信や賞賛は、警戒心を薄めやる気を削ぐことになるので注意が必要だろう。

意思決定

上昇志向型の人が最善の決断を下せるのは、肯定的な選択肢2つが並んでいる場合や、メリットがあるかどうかを考える場合、直感的に選ぶような場合だ。

一方、予防志向型の人は、どちらの選択肢がより悪くないかということに目を向けやすい。最善の判断を下せるのは、どうやったらそれを行えるのかといったことを考える場合や、どちらの選択肢が正しいのかについてフィーリングではなく合理的な説明を行うといった場合だ。

目標は同じでもタイプによって違うルートを選ぼう

問題解決

上昇志向型の人は、冒険好きで抽象的な思考をしがちなため、目標到達のための多くの選択肢を準備しよう。創造的になり、代替手段についても考慮しよう。

予防志向型の人は、具体的かつ詳細に物事を考えるため、計画は1つに絞りそれを断行しよう。そして、「革新的な方法」や試されたことのない方法よりは、十分に実績のある方法を選ぶ方が良いだろう。

上昇志向型の人にも予防志向型の人にも、成功のチャンスも失敗の落とし穴もある。

そして、どちらのタイプでも、組織や家庭に貢献できる。我が家では、上昇志向型の夫が夢のようなバケーションの計画を立て、私はパスポートを忘れないことなど予防志向型の役目を引き受けている。

上昇志向型でも予防志向型でも、それぞれの特性を生かせれば、仕事でも私生活でも成功し幸せになれる。自分の長所を生かし、有意義なアドバイスでも、自分に合わなければ割り引いて聞くことなどを忘れなければ良いのだ。

本記事は、米コロンビア大学モチベーション科学研究所のアソシエートディレクターであるハイジ・グラント・ハルボアソン博士によるものです。

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