療養中のマンデラ氏を「政治利用」 南ア与党に非難集中

マンデラ氏の映像に「政治利用」との批判も

2013.05.01 Wed posted at 11:04 JST

(CNN) 国営南アフリカ放送協会(SABC)が自宅療養中のネルソン・マンデラ元大統領(94)の映像を放映したことに対し、与党・アフリカ民族会議(ANC)が同氏を政治的に利用しているとの非難が集中した。一方、ANCは、マンデラ氏が十分な看護を受けており心配することはないと反論している。

映像では、ANC幹部らがヨハネスブルクのマンデラ氏宅を訪ね、同氏を囲んで談笑したり写真を撮ったりする様子が紹介された。マンデラ氏本人はほとんど身動きせず、無表情のままいずに座っている。

孫が撮る写真のフラッシュに目を閉じ、口を結ぶ場面もあった。同氏は投獄中に強制された採石場での労働で目を痛め、フラッシュ撮影を避けてきた。

ズマ大統領が「マンデラ氏の健康状態は良好」と発表する一方、映像では正反対の姿がさらされたことに対し、国民から怒りの声が上がった。

ヨハネスブルクのラジオ司会者は、ツイッターに「マディバ(マンデラ氏の愛称)の映像を見るのはつらかった。あの場でフラッシュをたいたばか者はだれだ」と書き込んだ。

取材陣に笑顔を見せるマンデラ氏=2004年、ヨハネスブルク

「私たちのためにたくさんのことをしてくれたマディバに、この扱いはひどすぎる。まるで動物園の動物のよう。ANCよ、恥を知りなさい」「ANCはメディアがマンデラ氏のプライバシーを侵害すると非難してきたが、きょう公開されたビデオこそ侵害にほかならない」というツイートもあった。

こうした批判を受け、ANCは「高齢者を敬う精神にのっとって訪問した。94歳の年齢で昔のような活気がなくなるのは自然なこと。マンデラ氏は十分な看護を受けており、心配することはない」との声明を出した。

ツイッターではこれに対してさらに、「批判されているのはマンデラ氏を政治利用しようとした行為だ」「ANCにその自覚はないのか」という声が上がっている。

マンデラ氏の姿が映像で紹介されたのは、昨年7月の誕生日以降初めて。同氏は過去5カ月に3回の入院を繰り返してきた。3月末には肺の感染症の再発で入院したが、4月6日に退院し、自宅療養を続けている。

マンデラ氏を政治利用? 与党に非難殺到

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