(CNN) 米ボストン・マラソンでの連続爆破テロ事件で、連邦捜査当局は29日、死亡したタメルラン・ツァルナエフ容疑者がロシア系のジハード主義の人物らに影響を受けた可能性があるとの見方を示した。また、捜査筋がCNNに語ったところによると、犯行に使われた爆弾の破片から女性のDNAが検出され、当局が詳しく調べている。
捜査状況に詳しい情報筋によると、当局が注目する人物のうち、1人はロシア生まれのカナダ人男性(23)。ボクサーからジハード主義に転じ、昨年7月にツァルナエフ一家の出身地、ロシア南部ダゲスタン共和国で、ロシア軍部隊との銃撃戦の末死亡した。タメルラン容疑者はその約半年前からダゲスタンに滞在していたが、男性が死亡した直後に米国へ戻っている。
当局はまた、タメルラン容疑者がダゲスタン滞在中、昨年5月にロシア軍との銃撃戦で死亡した別の男性(18)と接触した可能性もあるとみて調べている。2人の男性が同容疑者とかかわっていたとの見方は、ロシア誌が最初に伝えた。
米ロードアイランド州では同日、捜査当局がタメルラン容疑者の妻、キャサリン・ラッセルさんの自宅を1時間半にわたって捜索した。ラッセルさんは同容疑者の犯行計画をまったく知らなかったと話している。10年6月に結婚した2人の間には、幼い娘がいる。
捜査筋によれば、爆弾の破片からは女性のDNAが見つかった。ただし共犯者のものとは限らず、過去に爆弾材料の圧力鍋に触れた人物や、犠牲者のDNAである可能性も否定できないという。
一方、米政府当局者がCNNに語ったところによると、連邦捜査局(FBI)は同州で、タメルラン容疑者にジハード主義の思想を教え込んだ人物として家族らが名指しした「ミーシャ」と呼ばれる人物に事情を聴いた。この人物を直接取材したジャーナリストによると、ウクライナ系の39歳男性で、FBIに協力する姿勢を示す一方、暴力をけしかけたことは一度もないと主張している。
タメルラン容疑者は警察との銃撃戦で死亡した。弟のジョハル被告(19)は調べに対し、事件の首謀者は同容疑者だったと供述している。
容疑者と母親が「聖戦」めぐり会話か ボストン爆破テロ