(CNN) 米国カントリーミュージック界の巨匠ジョージ・ジョーンズさんが26日、テネシー州ナッシュビルのヴァンダービルト大学病院で死去した。81歳だった。ジョーンズさんは発熱と血圧異常により18日から入院していた。
ジョーンズさんは1931年、テキサス州サラトガで生まれる。幼少期は貧しかったが、独学でギターを学び、10代前半に路上やクラブで歌い始めた。
短い最初の結婚と海兵隊での兵役の後、ジョーンズさんはスターデイ・レコードの共同経営者パピー・デイリー氏に見出され、1954年に「No Money in This Deal」でデビュー。1959年の「White Lightning」で初の1位を獲得した。
その後、2人目の妻シャーリー・コーリーと結婚するが、1968年に離婚。その1年後に3人目の妻でカントリー歌手のタミー・ウィネットさんと結婚し、2人で多くのヒット曲を生み出した。1975年にウィネットさんとも離婚するが、離婚後も2人での活動を続けた。
しかし、その後ジョーンズさんの人生は荒れ始める。
それまでも過度の飲酒が原因で公演がキャンセルになることが多く、「ノー・ショー・ジョーンズ」というあだ名が付くほどだったが、コカインに手を出してから公演のキャンセルはさらに増え、1979年の1年間で54公演がキャンセルとなった。体重が激減し、更生施設に入ったが、1カ月で出てしまう。
そのような状況の中、1980年にレコーディングされた「He Stopped Loving Her Today」はジョーンズさんの最高傑作とされ、カントリー・ミュージック・マガジン誌の投票で「史上、最も素晴らしいカントリー音楽」に選ばれた。
80年代に入ってもジョーンズさんの苦闘は続いたが、4人目の妻ナンシー・セピュルバドさんの助けを得て、飲酒とコカイン摂取を克服した。
ジョーンズさんは、「カントリーミュージックの殿堂」のメンバーであり、2008年にはケネディー・センター賞を受賞。さらに2012年にはグラミー賞生涯業績賞を受賞している。