イラク首相「内戦回避に向け対話を」 北部の衝突激化受け

イラクのマリキ首相

2013.04.26 Fri posted at 15:34 JST

(CNN) イラクのマリキ首相は25日、同国北部でスンニ派住民と治安部隊との衝突が激化している事態を受け、暴力の停止と内戦の回避に向けた対話を呼びかけるテレビ演説を行った。

マリキ首相は「もし内戦が起これば、誰もが敗者となる」と警告。「この国で過激派が宗派間紛争に火を付けるのを認めてはならない」と述べた。

マリキ首相はスンニ派の指導者と政府関係者、治安部隊との間の対話を呼びかけ、衝突が拡大し民主主義が崩壊するのを防ぎたい構えだ。

イラク北部のサラハディン州やニネベ州、キルクーク州などにおけるイスラム教スンニ派住民と治安部隊との衝突による死者は、この3日間で100人近くに上っている。

イラクでは23日、一部の地域を除き地方選挙を実施。投票日には大きな衝突もなかったことに、イラク内外の指導者が賛辞を送った。

イラクで少数派のスンニ派は、同じくスンニ派のフセイン政権下では大きな影響力をもっていたが、同政権崩壊後は政治的に弱い立場に追い込まれた。現在、国の中枢は多数派のシーア派が握っている。

昨年12月以降、シーア派主導の政府に対し、「二流市民」の扱いをやめるよう求めるスンニ派住民のデモが相次いでいた。

イラク戦争以降のこの10年、イラクでは宗派間の衝突が絶えなかった。国営テレビ局は視聴者に過去の暗い時代を思い出させようと、フセイン政権下で拷問を受けた人々の映像を流した。

 

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。