（ＣＮＮ） イタリアの首都ローマでは、コーヒーは日常生活の一部であり、多くのローマ人が毎日５杯以上のエスプレッソを飲む。バーやカフェは、ローマ人にとって礼拝所のような場所だ。それだけに、カフェの順位付けは難しい。ここで選んだカフェはすべてローマの歴史地区にある。ここでは各カフェを次の５つのカテゴリーで採点した。
１．コーヒー：味、香り、温度、後味の長さ、見た目の良さ
２．雰囲気：装飾、色、照明、ムード
３．食事：シンプルなクロワッサンからアペタイザー、料理まで
４．サービス：スタッフの能力、親しみやすさ、「アットホーム」な接客
５．立地：景色、歴史的記念物や名所からの距離、ショッピング
第１５位 サンテウスタキオ・イル・カッフェ
コーヒー：１０、雰囲気：６、食べ物：７、サービス：６、立地：７、計：３６
おすすめコーヒー：グラン・カッフェ（クリーム入りエスプレッソ）
店は簡素で、こぢんまりとしていて、親しみやすく、まさにローマの伝統的なバーの典型だ。オーナーたちが定期的にブラジルを訪れ、厳選した最高品質のコーヒー豆をローマに送り、袋詰めして販売している。クッキー、チョコバー、ケーキ、フラッペなど、この店で販売されている食べ物はすべてコーヒー味だ。コーヒーは１日平均約６０００杯も売れ、顧客は政治家から高校生まで幅広い。
第１４位 ザ・カプチーノ・バー
コーヒー：１０、雰囲気：６、食べ物：７、サービス：７、立地：７、計：３７
おすすめコーヒー：手で模様が描かれたカプチーノまたはグラスに入ったアイスカプチーノ
この店のオーナーでバーテンでもあるルイジ・サントロ氏が作るダウンタウンで一番のカプチーノは、おいしさだけでなく見た目も美しい。サントロ氏は、コーヒーに花、リンゴ、ハートなどを描く、いわばコーヒーアーティストだ。店は小さくこぢんまりとしているが、モツァレラチーズとブロッコリーが載ったこの店のパストラミ（肉の燻製）ピザは絶品。店はテベレ川沿いのゲットー（ユダヤ人街）にあり、軽く食事を取るには最適だ。
第１３位 レカフェ
コーヒー：１０、雰囲気：７、食べ物：７、サービス：７、立地：７、計：３８
おすすめコーヒー：ヘーゼルナッツかホワイトチョコレートクリームが入ったエスプレッソ
レカフェは、ローマのショッピングセンターの中心にあるモダンな雰囲気のカフェだ。ガラス窓のあるエントランスはアウグストゥス廟に面している。２つのフロアに広いダイニングルームがあり、若者やサラリーマンの待ち合わせ場所になっている。この店に来たら、ホワイトチョコレートクリーム入りのエスプレッソは是非味わうべきだ。また、支配人のロザリオ・ベレッタ氏が作る本場のナポリピザもおすすめ。
ジョリッティ。おすすめコーヒー：グラスエスプレッソ（グラス入りのクリーミーなエスプレッソ、砂糖なし）
第１２位 タッツァ・ドーロ
コーヒー：１０、雰囲気：７、食べ物：７、サービス：７、立地：８、計：３９
おすすめコーヒー：「生物学的」エスプレッソ
このカフェの売りは、パンテオンの前という立地の良さと雰囲気だ。このカフェでは自らコーヒー豆を炒って、オーストラリアなど世界各国に出荷している。バーのすぐ後ろに色鮮やかなコーヒー専門店があり、コーヒーの詰め合わせなどを販売している。
第１１位 ジョリッティ
コーヒー：１０、雰囲気：８、食べ物：７、サービス：８、立地：７、計：４０
おすすめコーヒー：グラスエスプレッソ（グラス入りのクリーミーなエスプレッソ、砂糖なし）
このカフェは、世界各国から来た旅行者とイタリアの政治家の交流の場であり、「第２の国会」と呼ばれている。イタリアのナポリターノ大統領と店内でばったり出くわす可能性もある。第２次世界大戦中はアメリカ人兵士たちの集合場所だったが、今ではミシェル・オバマ米大統領夫人や米女優シャローン・ストーンのお気に入りだ。また受賞歴のあるアイスクリームも世界的に有名。
第１０位 チャンピーニ
コーヒー：１０、雰囲気：８、食べ物：７、サービス：８、立地：８、計：４１
おすすめコーヒー：エスプレッソかカプチーノ
こぢんまりとした、くつろげる場所を探しているなら、この店がおすすめだ。このカフェは４代続く老舗で、オーナーのマウラ・チャンピーニ氏自らレジに立つ。職人技で作られたコーヒー以外に、クロワッサン、自家製ケーキ、アイスクリームなどもおすすめで、ピスタチオのフレーバーは絶品。店内だけでなく、広場にテーブルが並ぶ屋外も雰囲気は抜群だ。
第９位 カノーヴァ・タドリーニ
コーヒー：１０、雰囲気：９、食べ物：８、サービス：７、立地：８、計：４２
おすすめコーヒー：マロッキーノ（チョコレートクリーム、コーヒー、ココアパウダー、クリームのトッピング）
かつてアトリエだった店で、ブロンズや大理石の彫刻に囲まれながらコーヒーを飲んではいかがだろうか。見事な装飾が施された博物館のような店内には、１９世紀の彫刻家アダモ・タドリーニの作品が所狭しと並ぶ。１５０年前のイタリアの彫刻を鑑賞しながらエスプレッソを味わえるという、芸術愛好家に最適なカフェだ。
サバティーニ。おすすめコーヒー：エスプレッソ
第８位 サバティーニ
コーヒー：１０、雰囲気：９、食べ物：９、サービス：７、立地：８、計：４３
おすすめコーヒー：エスプレッソ
このカフェは、ナイトライフで人気のローマの下町エリア「トラステヴェレ」の中心部にある。コーヒーは、飲み終わった後、数時間口の中に香りが残る。木造で床がタイル張りの店内でコーヒーを軽く飲んで立ち去るもよし、その地区で最も美しい広場に面した屋外のテーブルでくつろぐのもいいだろう。またこの店は、地元の人も訪れるトロットリア（イタリアの庶民的なレストラン）でもある。
第７位 カッフェ・ストレガ
コーヒー：１０、雰囲気：９、食べ物：７、サービス：９、立地：９、計：４４
おすすめコーヒー：カプチーノ
この店では、ヴィア・ヴェネトの並木道に並ぶテーブルで、おしゃれな麦わらのいすに座りながらコーヒーを楽しめる。この店に来るだけで、すばらしいロケーションとおいしいコーヒーの２つが手に入る。この店のカプチーノの味は繊細で甘く、砂糖を入れる必要はない。またローマの伝統的なスパゲティや新鮮な魚も味わえる。
第６位 ドミツィアーノ
コーヒー：１０、雰囲気：９、食べ物：８、サービス：８、立地：１０、計：４５
おすすめコーヒー：ノワゼット・コーヒー（ヘーゼルナッツアイスクリーム、ココアパウダー、クリームが付いたエスプレッソ）
ここは、素晴らしい景色がコーヒーの味を引き立てるお手本のような店だ。ローマバロックの巨匠ベルニーニの傑作「四大河の噴水」の正面に位置するこのカフェでは、肖像画家や職人が集うローマで最も華やかな広場「ナヴォーナ広場」を眺めながらコーヒーを味わえる。このカフェのカプチーノやコーヒーは、アルコールなど、さまざまな材料を加えて作るのが特徴だ。コーヒーにクリーム、チョコレート、卵のリキュールを混ぜた「コーヒーツイスト」を飲めば、一日中元気に過ごせるだろう。
第５位 カノーヴァ
コーヒー：１０、雰囲気：９、食べ物：９、サービス：８、立地：１０、計：４６
おすすめコーヒー：エスプレッシノ・ドク（ココアパウダーとホイップクリームを混ぜた特別なエスプレッソ）
屋外テーブルの前には、ローマで最も眺めが良く、印象的な広場の１つであるポポロ広場が広がる。また店内は、改装されキラキラと輝く内装に、ピアノバーや屋内ガーデンがある。「最高品質を保証しているため、連日、世界中から人が集まる。毎日コーヒーメーカーを点検し、最適な圧力レベルを維持している」とディレクターのアドリアーノ・デ・サンティス氏は語る。
ロザッティ。おすすめコーヒー：エスプレッソ
第４位 カフェ・グレコ
コーヒー：１０、雰囲気：１０、食べ物：９、サービス：９、立地：９、計：４７
おすすめコーヒー：エスプレッソ
欧州最古のカフェの１つであるこの店では、ゲーテ、ゴーゴリ、アンデルセンといった芸術家や知識人が意見交換をしたテーブルでコーヒーを味わえる。店内は、古典的絵画が醸し出すベル・エポックの夢のような雰囲気が漂う。
第３位 ブラマンテの修道院の中のカフェ・ビストロ
コーヒー：１０、雰囲気：１０、食べ物：８、サービス：１０、立地：１０、計：４８
おすすめコーヒー：ブラマンテ・コーヒー（チョコレートクリーム・パウダー入りのコーヒーにクリームをトッピングしたカクテル）
ここはエスプレッソをカクテルグラスに入れて出す唯一のカフェだろう。ブラマンテ・コーヒーは、ルネサンスを代表する建築家ブラマンテが設計した修道院の中にあるこの洗練された芸術的なビストロに合っている。どこに座るか迷うところだ。店内にはモダンな雰囲気のバーがあり、屋外には修道院を見渡すアーケードの下にテーブルが並んでいる。
第２位 ホテル・デ・ルシー内のストラヴィンスキー・バー
コーヒー：１０、雰囲気：１０、食べ物：９、サービス：１０、立地：１０、計：４９
おすすめコーヒー：クルミの砂糖漬けが付いたエスプレッソ
このバーは、１８００年代に建てられ、その後おしゃれに改修された、ローマで最高の五つ星ホテルの１つであるホテル・デ・ルシーの中にあり、伝統スタイルと現代スタイルが融合する場所だ。米俳優のブラッド・ピットもこのバーを訪れ、鉄製のテーブルといすがある野外ガーデンと、紫のベルベットのソファと背の高い明るい窓が特徴の上品なバーラウンジでコーヒーを味わった。
第１位 ロザッティ
コーヒー：１０、雰囲気：１０、食べ物：１０、サービス：１０、立地：１０、計：５０
おすすめコーヒー：エスプレッソ
このカフェがローマで最高のコーヒーバーである理由は、その伝統、立地、接客だ。このカフェからは、ポポロ広場とその上に位置するピンチョの丘が最も良く見える。屋外に並ぶ鉄製テーブルと、古い木の装飾と１９２０年代の大理石の床が特徴の洗練されたコーヒールームが暖かい雰囲気を作り出している。店に行くと常にオーナーたちが出迎えてくれる。店はカノーヴァのすぐ前にあるが、多くのコーヒー愛好家が、ロザッティのコーヒーの方がはるかにおいしいと主張する。