(CNN) パリでのホテル暮らしには費用がかかるけれど、もっと大きな代償は妻子と離れて暮らすこと――。プロサッカーの仏1部リーグ、パリ・サンジェルマン(PSG)で活躍する元イングランド代表主将のデービッド・ベッカム選手が、CNNとの単独インタビューで夫として、父親としての心境を語った。
ベッカムはスペイン1部リーグのレアル・マドリードでプレーした後、5年間在籍した米メジャーリーグ・サッカー(MLS)のロサンゼルス・ギャラクシーを昨年末に退団し、5カ月の契約でPSGに加わった。ビクトリア夫人と4人の子どもたちは、10年近く離れていた母国の英国へ戻り、ロンドンで暮らしている。
パリ屈指の高級ホテル「ル・ブリストル」のスイートルームに滞在し、一泊数千ドルというぜいたくな生活を送るベッカムだが、「短期間とはいえ、日々、子どもたちと離れて暮らすのはつらい」と話す。ただ「子どもたちも、パパが一生懸命働いていることは分かってくれている」という。
長男のブルックリン君は14歳。「何でもやりたい、どこへでも行きたい年頃」だが、世界的なスポーツ選手を父親に持つとはどういうことか、思い知らされる場面も出てきた。
「私たちが引き止めなければならないこともある。何をやってもいいというわけではないと、言い聞かせなければならない。でも実際には、子どもたちがやりたいことの99%まではやらせている。普通の生活をしてほしいからね」と、父親らしい心情をのぞかせる。
家族との時間を少しでも確保するため、定期的にロンドンとの間を行き来する。PSGのケライフィ会長やアンチェロッティ監督からは最近、ベッカムの契約延長を望むとの発言が相次ぎ、5月以降もこの生活が続く可能性が出てきた。
「英プレミアリーグなら古巣のマンチェスター・ユナイテッド以外のチームでプレーする気はない」と断言しているベッカムにとって、短時間のフライトで帰省できるパリは、現時点で最善の選択といえるかもしれない。「パリは素晴らしい街。素晴らしい文化もある」と、力を込める。
イングランド代表に復帰する可能性については、「代表を引退していないのはチャンスがあれば応じたいと考えているからだ」と話し、「もうすぐ38歳で、可能性はとても低いが、先のことは分からないからね」とほほ笑んだ。
最大の犠牲は「家族と離れて暮らすこと」 ベッカム選手にインタビュー