(CNN) 「今年の春の到来は早い」と予言したグラウンドホッグ(ウッドチャック)の「フィル」が、偽証罪で「起訴」されたことが25日までに分かった。
グラウンドホッグは米国に生息するリス科の小動物。フィルはペンシルベニア州パンクサトーニーで毎年2月2日に行われる「グラウンドホッグデー」でその年の春の訪れを予言するのが恒例になっており、今年は春の到来は早いと予言していた。
ところが米北東部は春分の日の20日になっても積雪があり、その後も寒い日が続いた。フィルの予言が間違ったのは今回が初めてではない。
これに業を煮やして誰かに責任を取らせなければならないと考えたのが、オハイオ州バトラー郡のマイケル・モーサ検察官。CNN系列局WXIXの取材に対し、「今朝目が覚めてみたら強風が吹いて雪が舞い、気温は下がり続けていた」と憤って見せた。
モーサ氏は、フィルが意図的に国を欺いたと判断し、「春が早く来ると人々が信じるよう仕向けた」とする起訴状を作成した。
この冗談に乗ったフィルの世話人のジョン・グリフィス氏は、「2週間前の日曜は気温が15~18度まで上がった」「つまり春が早く来たということだ」とフィルを弁護している。
間違いはフィルのせいではない可能性もある。公式サイトによれば、フィルはグラウンドホッグクラブの会長に「グラウンドホッグ語」で予言を伝え、会長がそれを人間の言葉に翻訳する。つまり会長が聞き違えたのかもしれない。
それでもモーサ検察官はフィルに死刑を求刑し、「彼は既に捕らわれの身だから」と話している。
もっとも州境を越えた野生生物の移送は禁じられているため、フィルをオハイオ州に護送することはできそうにない。予言は1887年からの慣例に従って、来年以降も続くはずだ。
春到来の予言リス、偽証罪で「起訴」 米