北朝鮮、休戦協定の一方的破棄を宣言 安保理決議に反発

2013.03.12 Tue posted at 09:56 JST

(CNN) 北朝鮮人民軍は11日、朝鮮戦争の休戦協定を破棄すると宣言した。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が伝えた。

人民軍最高司令部の報道官は「休戦協定は本日をもって完全に白紙化された」と述べ、理由として国連安全保障理事会が先週、北朝鮮への制裁強化決議を全会一致で採択したことを挙げた。「集団的な制裁はまさに北朝鮮への宣戦布告であり、戦争行為だ」と主張している。

朝鮮半島周辺では、米韓両軍が今月1日から2カ月の予定で実施中の合同機動演習「フォール・イーグル」に加え、11日には合同軍事演習「キー・リゾルブ」を開始した。北朝鮮はこれについても「公然たる宣戦布告だ」と非難。米国が演習の時期に合わせて安保理決議を「でっち上げ」、安保理の名の下に北朝鮮の存在と主権を脅かして「攻撃的目的」を果たそうとしていると述べた。

米軍は2月21日、北朝鮮側に対して、例年通り防衛的な合同演習を実施すると通告していた。

韓国の尹炳世(ユンビョンセ)新外交通商相は11日の就任演説で、朝鮮半島の安全保障情勢は「非常に深刻だ」との見方を示し、北朝鮮との信頼構築に努めたいと語った。

朴槿恵(パククネ)大統領はこの日、就任後初の閣議を開き、「北朝鮮の核開発をやめさせるためには、何よりもまず国際社会との協力が必要だ」と述べた。そのうえで政府に対し、北朝鮮の開城工業団地や南北境界線近くの大延坪島(テヨンピョンド)にいる韓国国民の安全確保を命じた。

米国のカーニー大統領報道官は、「北朝鮮が脅しや挑発によって得るものは何もない。北朝鮮は孤立を深め、北東アジアの平和と安定を目指す国際社会の努力が台無しになるばかりだ」と述べた。

韓国統一省によると、韓国側は11日、南北間のホットライン(直通電話)を通じて2回にわたり接触を試みたが、北朝鮮側の応答はなかった。

これについて駐韓米軍の幹部は、北朝鮮側がホットラインを切断したのか、単に応答しないだけなのかは判別できないと指摘。朝鮮人民軍によるホットライン切断疑惑は、これまでも米韓演習のたびに浮上してきたと話している。

北朝鮮、休戦協定の破棄を宣言

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