国連、核実験で新たな制裁決議採択へ 北朝鮮は軍事演習開始

北朝鮮の金正恩第1書記=KCTVから

2013.03.07 Thu posted at 19:04 JST

(CNN) 北朝鮮が今年2月に実施した3度目の核実験に関連し、国連安全保障理事会は7日、北朝鮮に対する新たな制裁決議案の採択を実施する。米国と北朝鮮の最大の支援国ともされる中国が決議案作成で数週間交渉してきた。

米国と中国が決議案の内容で合意したことを受け、採択は確実視される。新たな制裁決議は米国主導の侵略的な陰謀の一環などと主張する北朝鮮が態度を硬化させ、威嚇的な行動をさらに強める可能性が強い。

韓国国防省は7日、北朝鮮が全土で軍事演習の実施に踏み切ったと発表した。異例の大規模演習としている。同省はその上で、北朝鮮による挑発的な行動に備え警戒態勢を強化したと発表した。

新たな制裁決議案の草案によると、北朝鮮の核やミサイル開発につながる銀行など通じた金融取引活動の締め付けを狙っている。また、北朝鮮による不審な貨物輸送を封じるため海路や空路での検査強化を盛り込んだ。

さらに、ウラン濃縮活動にかかわる物資や技術の入手を図り、兵器産業にかかわる組織や幹部らを対象にした制裁を拡大する内容ともなっている。

北朝鮮への制裁決議などにこれまで消極的だった中国が今回の追加制裁に応じたのは中止を求めたにもかかわらず3度目の核実験を強行した北朝鮮への不快感などがあるためとみられる。

北朝鮮軍によるパレード=2012年4月15日、北朝鮮・平壌

英シンクタンクの国際戦略研究所の核非拡散・軍縮問題の専門家は、追加制裁は北朝鮮の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が核実験に踏み切ったつけと指摘。その上で、追加制裁が実質的な成果を挙げるかどうかは中国による決議への対応次第とし、今後の北朝鮮への穀物輸出量の大小などに注目した。

国連安保理は、北朝鮮の過去の核実験や人工衛星搭載と主張する事実上の長距離ミサイル発射を受け制裁決議を打ち出してきたが、新たな核実験や核開発の継続を阻止する効果は得ていなかった。中国は北朝鮮を米国の同盟国である韓国との間の緩衝地帯として位置付ける戦略の保持を図っているとの見方もある。

国連安保理による追加制裁の動きを踏まえ、北朝鮮による挑発的な言動も最近強まっていた。5日には朝鮮戦争に伴う1953年調印の休戦協定の効力無効と米韓両国への攻撃も威嚇。米韓が実施する合同軍事演習への反発も織り込んでいた。

これを受け韓国政府は6日、北朝鮮軍が韓国国民の生命と安全を脅かすなら強力かつ断固として報復するとの強い調子の声明を発表している。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。