米国、国連での交渉で「禁酒」提案

2013.03.07 Thu posted at 16:49 JST

国連本部(CNN) 米国のジョセフ・トーセラ国連大使代行(行政管理・改革担当)は7日までに、国連での交渉の場に飲酒した外交官らの出入りを将来禁止すべきだと提案した。国連の行財政委員会(第5委員会)の会合で述べたもので、国連でこの種の呼び掛けが行われるのは異例。

同大使代行は会合で、シャンパンは協議が成功裏に終了した時のために残しておこうと提言した。

米外交官によると、国連では深夜の会合などで過度の飲酒をしたとみられる外交官の参加があるという。特にクリスマスの時期に第5委員会が開く予算折衝で目立つとしている。

トーセラ大使代行は発言の中で酔った状態などで交渉に加わる外交官の国名には触れなかったが、ロシアのチュルキン国連大使はCNNの取材に自国の代表部スタッフに非がある者がいることを示唆。「交渉の場に臨むに当たっては飲酒すべきではない。部下には明確な指示を出す」と述べた。

ただ、職務中の飲酒行為を否定する国連外交官も一部いる。英国のグラント大使は「外交的なレセプションは多数あり、飲酒する人もいるかもしれない。だが、交渉の場では起きていない」と強調した。

国連にはかつて、「外交官ラウンジ」の中にバーがあった。しかし、2010年の国連本部ビル改修に伴い、現在は午後3時以降に飲食出来る場所はわずかしかない。アルコール類をビル内に持ち込む外交官が一部いるともみられている。

国連の潘基文(パンギムン)事務総長の広報担当者は、交渉に際しての飲酒問題などに触れ、各加盟国に外交官の行動規範を垂れるのは事務総長の職務ではなく、各加盟国の政府の責務と指摘した。

国連では約3年前、事務次長だった中国人外交官が海外で催された夕食会で酩酊(めいてい)して上司だった潘事務総長にからみ、ひんしゅくを買う事例も起きていた。事務次長は「事務総長、あなたは私を好きになったことはない。私も同様だ」と毒づいたとされる。事務次長はこの後、謝罪していた。

米国のトーセラ大使代行は、国連職員による海外出張で航空機のビジネスクラス利用が余りにも多いことを知り、是正を図ったこともある。

国連では本部内の禁煙徹底には数十年かかっている。

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