進化する未来のスマートフォン

米国のマイケル・ロート氏が考案した「ラディア」はシンプルな形が特徴=同氏提供

2013.03.08 Fri posted at 09:00 JST

(CNN) 高機能の携帯端末として急速に進化するスマートフォン。今後10年間のうちにどのような新技術が登場し、それによって私たちの生活はどう変化するのだろうか。6つの主な動きを見てみよう。

1.3Dディスプレー

スマートフォンに3Dディスプレーと3Dブラウザーが搭載され、専用の眼鏡がなくても3次元映像が見られる。ショッピングサイトのページをただ「見る」のではなく、店やショールームに入って「歩き回る」ような体験が可能になるだろう。映像が画面から飛び出す効果を楽しむこともできる。

2.生体認証

パスワードをいくつも記憶しなくても、生体認証でデータやサイトにアクセスできるシステムが、高解像度のタッチスクリーンやセンサーの技術で実現する。スクリーンに触れれば指紋を読み取り、フロントカメラが顔を認識する。持ち主の声や、キーボード操作のパターンで識別する方式もある。フェイスブックにアクセスする時は1種類だけ、銀行取引には複数の認証方式と、必要なセキュリティーのレベルに応じて調節することができる。

耳に引っ掛けて使う「カンバラ」はイルシャト・ガリポフ氏(ロシア)が考案=同氏提供

3.財布機能

スマートフォンが財布になる。米国では現在、グーグルがシティ・マスターカードで決済できるサービスを提供しているが、近いうちにほかのカード会社も参入するだろう。この機能に必要な近距離無線通信(NFC)を搭載したスマートフォンの開発が進んでいる。

4.自分だけのコンシェルジュ

米アップルのiPhone(アイフォーン)に搭載された「Siri(シリ)」のように、質問すると答えてくれる「知的エージェント」がさらに進化するだろう。秘書のような働きをして、有用で高度な情報を探してきてくれる。付き合いが長くなるにつれ、持ち主の好みや要求も把握して、それに合った情報を収集、提示するようになる。スクリーン上に映る外見や性格は、持ち主が好きなように設定できる。有名人の外見や性格を使うためのライセンス契約も行われるかもしれない。

ライアン・ハーク社の「メープル・フォン」は一見木片に見えるが、タッチセンサーなど最新機能を搭載=同社提供

5.スクリーンなしのアクセサリー型

昔のSFドラマに出てきたような、アクセサリー型のスマートフォンも現れるだろう。スクリーン付きの従来型が消えることはないと思われるが、スクリーンがいらなければ大きなバッテリーも必要ない。軽くたたいてクラウド上の知的エージェントを呼び出せば、道案内やメールの内容など、必要な情報を音声で伝えてくれるだろう。

6.高度な接続性

スマートフォンを多機能タッチパネルの上に置くだけでこの2つを連動させ、知的エージェントの機能も移すことができるようになるだろう。

――こうした動きはまだ初期段階にあるが、いずれ本格的に実現するだろう。問題はだれが一番乗りするかだ。

本記事は、ダニエル・ブルス氏による特別寄稿です。ブルス氏は「フラッシュ・フォーサイト」などビジネス向け書籍を執筆する他、IT関連の今後の動向に詳しい専門家です。

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