今年はすい星の当たり年? 2つも肉眼で見える可能性

彗星の明るさの予測は困難という。写真はサイディング・スプリング彗星=2010年1月、NASA/JPL-CALTECH/WISE TEAM提供

2013.03.05 Tue posted at 16:47 JST

(CNN) 天文ファン期待の彗星(すいせい)が接近している。今月接近する「パンスターズ彗星」に加え、11月後半には別の彗星が太陽に近付き、今年は1年に2つの彗星が肉眼で見える希少な年になるかもしれない。

現在接近している彗星「パンスターズ」の名は、これを発見したハワイの望遠鏡の名称に由来する。この彗星は米国時間の5日に地球に最接近し、10日に太陽付近を通過。北半球では3月8日ごろから見えるようになり、12~13日に最も観測しやすくなる。

彗星がどこまで明るくなるかを正確に予想するのは難しい。しかし米航空宇宙局(NASA)の専門家によれば、パンスターズ彗星は北斗七星ほどの明るさになる見通しで、肉眼でも観測できそうだという。

彗星の明るさは、太陽にどれだけ近付くかによっても決まる。彗星は氷やちり、鉱物が集まってできており、太陽に近づくにつれ、熱でこれらの物質が解けて噴き出し、明るい尾ができる。

パンスターズ彗星は太陽にかなり接近すると予想され、次第に明るさを増して見えやすくなる。散り散りになって消滅してしまう可能性もあるが、そうならなければ2週間程の間、西の空の低い位置に現れると専門家は語る。日没後30分くらいが最も観測しやすいという。

アイソン彗星もどこまで明るくなるか未知数。写真はニート彗星=2004年5月、NATIONAL SCIENCE FOUNDATION提供

一方、さらに期待が高まっているのが「アイソン彗星」だ。こちらはロシアの天文学者が2012年9月に発見し、期待を込めて「世紀の彗星」とも呼ばれる。

アイソン彗星は11月28日に太陽の大気圏に突入する見通し。もし消滅しなければ、月ほどの明るさになって日中でも観測できるほどになり、その後長い尾が夜空を横切る姿も見えるかもしれないとの期待が高まる。

ただし専門家によれば、「彗星の予測はほとんど不可能」(NASAのドン・ヨーマンズ氏)という。別の専門家も、期待は持てるとしながらも、アイソン彗星がどうなるかは夏以降になってみなければ分からないと釘を刺す。

パンスターズ、アイソンの両彗星とも、地球に被害をもたらす恐れはない。もし肉眼で見える彗星が1年の間に2つも姿を現したとすれば、極めてまれなケースになりそうだ。

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