EU、銀行ボーナスに上限設定へ

2013.03.01 Fri posted at 11:41 JST

ロンドン(CNNMoney) 欧州連合(EU)は銀行員のボーナスに上限を設ける方向に動き出した。無謀な運用を抑制し、金融危機の発生やそれに伴う多額の公的資金注入を避けるのが狙いだ。

この措置は、年間給与の額を超えるボーナスを禁止するというもので、早ければ2014年1月に施行される。株主の過半数の承認が得られれば基本給の2倍まで支給可能となる。

ボーナス規制は、金融危機などへの備えとして銀行に資本増強を求める政策の一環として組み込まれている。

EUの行政機関、欧州委員会のバルニエ委員(域内市場・サービス担当)は記者会見で、「短期的なリスクの高い投資をやめさせることが上限を設けた目的だ」と上限設定の狙いを説明した。

だが欧州の金融の中心地であるロンドンを擁する英国は規制に反対の姿勢を見せる。

すでに金融機関は、ボーナス制度の見直しを余儀なくされている。分割払いや後払いといった手段を導入したり、基本給を上げて人材確保に努める例もある。

金融機関の側からは、ボーナスの額を決めるのは市場であるべきだとの声も聞かれる。才能あふれる人材に多額の報酬を払っているのは映画やプロスポーツの世界も同様だとの主張もある。

だが、ボーナスの金額は実際に減少してきているようだ。英調査機関の推計によると、ロンドンの金融中心地シティで支払われるボーナスの総額は08年の116億ポンド(現在のレートで約1兆6300億円)から直近の数字では16億ポンド(約2200億円)へと急減したという。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。