ローマ法王退位、「1人の巡礼者」に ツイッターは「空席」に

ローマ法王ベネディクト16世

2013.03.01 Fri posted at 11:07 JST

ローマ(CNN) ローマ法王ベネディクト16世が28日、正式に退位した。法王の存命中の退位は598年ぶり。信者は別荘前に集まって最後の別れを告げ、短文投稿サイト「ツイッター」のローマ法王のページは「Sede Vacante(空席)」という名称に切り替わった。

ベネディクト16世はこの日、枢機卿やローマ法王庁職員らの盛大な拍手に見送られてバチカンを離れ、ヘリコプターでローマ近郊のカステル・ガンドルフォにある別荘に到着した。

別荘前に集まった約1万人の信者を前にベネディクト16世は、「私はもはや法王ではない。この世における巡礼の最後をたどり始めた1人の巡礼者だ」と述べ、「主と共に、教会のため、そして世界のために前進を。ありがとう」の言葉を残してわずかに微笑み、十字を切って建物の中に姿を消した。

ベネディクト16世が公の場に姿を見せるのは、恐らくこれが最後となる。法王の警護に当たってきたスイス衛兵は公務終了時刻の午後8時、敬礼して扉を閉め、バチカン警察と交代。「名誉法王」となったベネディクト16世は、別荘で数週間過ごした後に、バチカンの小さな修道院に移る。

バチカンにある法王の公邸の入口は次の法王が決まるまで封印され、法王の象徴の「漁師の指輪」と紋章は、傷を付けることによって「破壊」される。

赤い靴に代わって昨年のメキシコ訪問時に贈られた茶色の靴を履く見通し

ベネディクト16世がツイッターの公式アカウント「@Pontifex」に残した最後のツイートは、「皆様の愛情と支援に感謝します。常にキリストを中心に生きる喜びを体験されますように」だった。

その後、この言葉も含めてベネディクト16世の投稿はすべて消去された。同アカウントは次の法王が利用するかどうか決めるまで休眠状態となる。

ローマ法王庁は、3月31日に行われるイースター礼拝の週までに次期法王を決めたい意向で、週明けにも「コンクラーベ」の日程を決めるための枢機卿会議が始まる見通し。

コンクラーベはバチカンのシスティーナ礼拝堂で開かれ、80歳未満の枢機卿115人の投票で次期法王を決める。この間、コンクラーベに出席する枢機卿はツイッターへの投稿も含めて外部との接触を禁じられる。宿泊施設でもインターネットは利用できないないという。

次期法王の有力候補とされるイタリアのジャンフランコ・ラバシ枢機卿は28日午前のツイッターで、数日の間不在になるとツイートした。

ローマ法王ベネディクト16世、正式に退位

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