人種間の資産格差、25年間で3倍に拡大 米大学の研究

2013.02.27 Wed posted at 17:16 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米国内の白人と黒人の資産格差は、過去25年間で3倍近くに拡大したことが、米ブランダイス大学の研究で明らかになった。米経済全体の足かせになる恐れがあると、研究チームは警告している。

チームは25年間にわたって、白人と黒人の計1700世帯を対象に資産を追跡。職業や教育との関係を探った。

2009年の時点で、白人世帯と黒人世帯の資産の中央値はそれぞれ26万5000ドル(約2440万円)と2万8500ドル(約260万円)だった。その差は23万6500ドルと、1984年の8万5000ドルに比べて3倍近くまで広がった。

研究チームによると、格差拡大の大きな原因として、持ち家を巡る状況の違いが挙げられる。白人世帯は親族から資金援助を受けられるケースが多く、黒人世帯に比べて平均8年も早く持ち家を手に入れている。頭金を多く支払うことができるため、ローンの負担も軽くなる。白人の持ち家率は黒人より28%も高い。一方、非白人地域の不動産は値上がりしにくいため、黒人世帯の持ち家は資産価値の上昇が見込めないことが多い。

所得格差の影響も大きい。たとえ賃金が同じように上がったとしても、白人世帯は差額を資産形成に回せるのに対し、黒人世帯では多くの場合、緊急時の出費で消えてしまう。

相続の状況にも大きな差がある。財産の相続を受ける率は白人が黒人の5倍、平均的な金額は10倍にも上る。

大学卒業時にローンを抱えている学生の割合は白人の64%に対し、黒人では80%に上る。社会人になってもローンの返済に追われれば、貯蓄を始められる時期はそれだけ遅れることになる。

研究チームは、資産格差が拡大を続け、国民の間で不公平感が募れば、米経済の持続的な成長は難しくなると懸念を示している。

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