核廃棄物施設で新たな漏出、タンク6基で 米ワシントン州

2013.02.23 Sat posted at 15:59 JST

(CNN) 放射性物質を含有した液体流出が先に発覚した核廃棄物貯蔵施設がある米ワシントン州のジェイ・インスリー知事は22日、同施設にある6基のタンクから放射性廃棄物が漏出していることが新たに判明したと述べた。

短文投稿サイト「ツイッター」で明らかにしたもので、ワシントンで会談した米エネルギー省のスティーブン・チュー長官から知らされたとしている。健康被害を直ちにもたらすものではないとも強調した。

その上で、放射性物質を含む液体や汚泥を収容する、同様の工法で造られたタンク全ての安全性に深刻な疑問が生まれたとの懸念を表明した。問題のタンクは単殻の構造だという。

長官は1週間前、知事に連絡し、同州南東部ハンフォードにある核廃棄物貯蔵施設の1カ所のタンクで放射性物質を含んだ液体が年間150~300ガロン(約570~1140リットル)の水準で流出していることを明らかにしていた。

タンクは1940年代に建設され、2005年以降流出が確認されたのは初めてとみられる。同州知事室によると、タンクには約44万7000ガロンの汚泥が貯蔵されている。

インスリー知事によると、別のタンクでの漏出が新たに見付かったことについて長官はエネルギー省のデータ分析が適切ではなかったとの理由を示したという。

ハンフォードの貯蔵施設の広さは約1518平方キロで、敷地内には計177のタンクが地下に据えられ、今回問題が起きた方式のタンクは149個となっている。

知事は1週間前の漏出発表の際、差し迫った健康被害の危険はないとし、放射性物質を含んだ液体が地下水やコロンビア川に浸透するまでは一定の時間がかかると指摘。その上で、問題解決の重要性に言及していた。

ハンフォードでは1943年、米国が原子爆弾を開発した「マンハッタン計画」の一部が始められ、数千人規模の要員が移ってプルトニウム製造などに当たった。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。