座礁した米掃海艦、解体作業を開始 フィリピンの世界遺産環礁

掃海艦「ガーディアン」

2013.02.23 Sat posted at 15:31 JST

(CNN) フィリピン南西部パラワン島近くの「世界遺産」指定のトゥバタハ環礁で米海軍掃海艦「ガーディアン」が起こした座礁で、国営フィリピン通信(PNA)は22日、船体解体へ向けた同艦への乗り込み作業などが始まったと伝えた。

一方、ヘイニー太平洋艦隊司令官は米軍メディアに、同艦の乗組員79人全員が母港の日本の佐世保港に戻ったと述べた。帰還は今年1月17日の座礁直後だった。米海軍の報道担当者は先にCNNに対し、乗組員は座礁の原因解明などが終了するまで佐世保にとどまると述べていた。

比沿岸警備隊によると、解体作業に向け救難援助船がガーディアンが立ち往生する海域近くに移動した。この作業は今週、熱帯低気圧による悪天候の影響で遅れていた。

米軍準機関紙スターズ・アンド・ストライプスによると、解体作業では船体を3カ所に分けて切断する。船首と船尾部分はそのままつり上げて移動させ、損傷が激しい中央部分は細かく切断して除去する。

ガーディアンの全長は約68メートルで、重量1312トン。解体作業は今年3月末もしくは4月初めに終わるとの報道もあったが、米海軍の報道担当者は終了時期について確かな見通しはないと述べた。サンゴ礁や周囲の海洋環境への被害を最小限にすることに留意しながら作業を安全に進めたいと語った。

米海軍は座礁を受け比側に謝罪し、環礁を傷つけたことを認めた。被害面積は約4000平方メートルに及ぶ。米海軍は波がもぎ取るなどしたガーディアンの船体の残骸を拾い集め、サンゴ礁を最大限に回復させることも約束した。比政府は米国に損害賠償を求める方針で、米国の駐比大使は先に適切な賠償に応じる考えを表明していた。

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