捕鯨めぐる衝突で日豪双方が提訴の構え、主張に食い違い

シー・シェパードが攻撃を受けたと主張している日本の大型船「日新丸」=See Special Instructions提供

2013.02.21 Thu posted at 15:30 JST

香港(CNN) 日本が南極付近で行っている調査捕鯨をめぐり、日本とオーストラリアが、相互に法的措置を起こす構えを見せている。

オーストラリアのバーク環境相は21日、日本の捕鯨船団が20日にオーストラリアの船舶を攻撃したと主張して、同国の放送局セブンネットワークに対し「日本はこれを限りにやめるべきだ」「日本が南極海で毎年やっていることには強い嫌悪を感じる。政府として法廷で決着させたい」と語った。

バーク環境相はさらに、「誰もがごまかしだと知っているのに調査捕鯨だと主張する彼らの策略を暴くため、行動に出る」と述べ、国際司法裁判所に日本を提訴する構えを示した。

これに先立ち反捕鯨団体シー・シェパード幹部のボブ・ブラウン氏は、同国の放送局ABCに対し、南極に近い南洋でシー・シェパードの船が日本の大型船「日新丸」に繰り返し衝突されたと説明。さらに、日本政府の護衛船から放水を浴びせられ、活動家に向けて衝撃手りゅう弾が投げられたと語った。

ブラウン氏はまた、日本の船団はオーストラリアの領海に侵入し、国際法とオーストラリアの法律に違反したと主張。「日本が我が国の領海で海賊になったのは極めて憂慮すべき事態だ」「オーストラリア政府が行動すべき時だ」と訴えている。

シー・シェパードが攻撃を受けたと主張している日本の大型船「日新丸」=See Special Instructions提供

この問題ではバーク環境相は、「海軍の派遣については、ほかのことすべてを吹き飛ばすような反応を起こさないようにしなければならない」と慎重な姿勢を示した。

一方、水産庁の日本鯨類研究所は、シー・シェパードの船3隻が20日、給油作業中の日新丸と補給船に無謀な異常接近を繰り返したと発表した。

日新丸は放水と音声による警告を繰り返し行ったが、シー・シェパード船の「危険極まりない妨害行為」によって、給油作業を中断したと説明。3隻は日新丸に少なくとも4回接触し、船体の一部を破損させたとしている。

同研究所によれば、米国の裁判所はシー・シェパードなどに対し、調査船の安全航行を脅かす航行や、調査船の500ヤード(約457メートル)以内への接近を禁止する仮処分命令を出している。

同研究所はシー・シェパードが仮処分命令に違反したとして、同裁判所に法廷侮辱の申し立てを行っており、連続する妨害行為についても追加申し立てを検討しているとした。

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