オバマ米政権がとるべき7つの対処法――北朝鮮の態度を変えさせるためには

北朝鮮の核実験実施を伝える韓国のテレビ=2月12日、ソウル

2013.02.24 Sun posted at 18:00 JST

(CNN) オバマ米大統領の上級顧問バレリー・ジャレット氏は先日、テレビ番組に出演した際、北朝鮮の核開発は同国を弱体化させるだけだと主張していた。北朝鮮の核兵器が国際的な孤立を招いているのは確かだが、大統領が頻繁に指摘するように、北朝鮮が国際社会に加わる気があるのかは分からない。

実際には北朝鮮は、これまでの核開発の進展でより攻撃を受けにくくなっていると感じている。第1に、核開発の進展は、最高指導者の金正恩(キムジョンウン)第1書記にとって国内向けの宣伝材料となり、政権基盤の強化にもつながり得る。

第2に、おそらくより重要なのは、核開発の進展が、初期的な核抑止力の強化につながっていることである。

正恩氏やその側近は、2010年の韓国海軍哨戒艦「天安」の撃沈と韓国北西部の大延坪島(テヨンピョンド)への砲撃という韓国側に死傷者も出た出来事のように、反撃を受けることなく攻撃が出来るという自信を既に持っている。

核戦力の整備が進めば、そのような自信は強くなるだけだ。

国連安全保障理事会は、北朝鮮の昨年末のミサイル実験を受けて採択された1月22日の決議で、「北朝鮮がさらなるミサイル発射や核実験を実施した場合、重大な行動を起こす決意である」ことを表明した。

オバマ米大統領が取るべき対応とは

オバマ政権は、安保理の善意を評価するかもしれないが、しかし、安保理が北朝鮮の考えを変えさせるほどの措置をとる可能性は低いことを理解すべきだろう。オバマ大統領にとって、重大な行動を自ら起こす時が来ている。

米国が取る行動は、今回の核実験が北朝鮮の安全保障にとってはマイナスだったと正恩氏に思わせるものでなければならない。結局、正恩氏は、自身の行動を後悔するようになるまでは行動を改めないだろう。

では、北朝鮮の方針を変えさせるためにはどうすれば良いのか。

ここにいくつかの提案があるが、その一部はより予防的な措置だ。これらの対策は全て、同盟国、特に日本や韓国と共同で実施された場合、より効果を発揮する。

1.北朝鮮沖に空母を派遣し、日常的に同盟国と共同で軍事演習を続ける。

2.北朝鮮の主要港を封鎖し、食糧や医薬品などの生活必需品以外の輸入を禁止する。

3.北朝鮮政権に金融サービスを提供する全ての銀行を、中国や欧州の銀行を含め「主要マネーロンダリング(資金洗浄)機関」に指定する。2005年に明るみに出たマカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)のケースでは非常に効果的だった。北朝鮮を、その実態どおりに犯罪組織として扱うべきだ。

4.北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定する。

5.偵察衛星や北朝鮮上空に送り込んだステルス機で正恩氏の行動を追跡し、画像を全て報道機関に提供する。

6.米国の友好国を含む各国政府に、北朝鮮のフロント企業の活動を認めないように圧力をかける。

7.北朝鮮の人々に、自分の国や外の世界についての情報をより多く伝えるために、韓国と協力して放送やその他の媒体による情報発信を強化する。

スーザン・ライス米国連大使が言うような「いつものやり方でやる」とすれば、当面は、これまでやって来たことの繰り返しになるだけだ。北朝鮮が真剣に受け止めるような新たな対応策を実施する時期が来ている。

本記事は、アメリカン・エンタープライズ政策研究所の研究員マイケル・マッザ氏よるものです。記事における意見や見解は全てマッザ氏個人のものです。

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