馬肉混入問題、英で3人逮捕 有害薬品残留の恐れも

2013.02.15 Fri posted at 13:27 JST

ロンドン(CNN) 欧州各国で牛肉として流通していた食品に馬肉が混入した問題で、英当局は14日、偽装にかかわった疑いで食肉処理場の従業員3人を逮捕した。人体に有害な薬品を含んだ馬肉が英国からフランスの食品流通網に乗った可能性があることも分かり、仏当局と連携して追跡調査を行っている。

英食品基準局によると、逮捕されたのは英ウェストヨークシャー州にある食肉処理場の従業員。この施設は12日に当局が立ち入り検査を実施し、13日に営業停止処分を受けていた。

馬肉混入はこれまでに英国のほか、スウェーデン、フランス、スイス、ドイツ、アイルランドで発覚。冷凍食品大手フィンダスが販売したラザニアや、英大手スーパーのテスコが販売したスパゲティ・ボロネーズからも馬肉が見つかり、いずれもフランスのコミジェルが製造した製品だったことが分かっている。

フランスの消費者問題担当相は14日、同国の食肉加工業者スパンゲロが、牛肉と偽装表示した商品の中身が馬肉だったことを知っていた可能性が強いとの見方を示した。パリの捜査当局が詐欺事件として捜査を行っている。これに対してスパンゲロは、「馬肉を注文したことも、馬肉と知りながら販売したこともない」と反論した。

消費者問題担当相はまた、コミジェルも食肉の表示の異常に気付いていたはずだと語った。

「牛肉100%」と記された食品にも馬肉が混入

一方、英食品基準局によると、1月30日から2月7日に検査した食肉処理用の馬206体のうち8体から、馬の鎮痛剤に使われる医薬品のフェニルブタゾンが検出され、このうち6体がフランスに渡って食品流通網に乗った可能性があることが分かった。

この6体がイングランドで処分されたことが分かっており、英仏の当局が連携して流通先を調べている。残りの2体は流通することなく、処理施設内で処分されたという。

フェニルブタゾンは重い副作用や発がん性が指摘され、食肉への残留は認められていない。米食品医薬品局によれば、この薬品で治療を受けた患者が重度の毒物反応に見舞われた症例もあることから、米国では人間への使用が禁止されている。

ただし英国の専門家は、もしこの薬品が残留した馬肉を食べたとしても、副作用が出ることはまずあり得ないと指摘している。

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