AKBメンバーの丸刈り謝罪は「武士道」の精神?

2013.02.05 Tue posted at 16:00 JST

(CNN) アイドルグループ「AKB48」のメンバー、峯岸みなみさん(20)が男性との交際を報道され、丸刈りになって涙ながらに謝罪する姿は、体面を失って名誉を回復しようとする武士のようにも見えた。その理由は、AKB48の軍隊のような組織にあるのかもしれない。

AKB48はチームA、K、B、研究生の主要4チームから構成され、いくつもの姉妹グループも持ち、厳格な秩序と行動規範が定められている。海外進出の意欲も旺盛で、シンガポールに拠点を設けるほか、インドネシアと台湾、中国に姉妹グループが存在する。

峯岸さんは1日、「恋愛禁止」のご法度を破ったことを涙ながらに告白した。これは組織の体面が傷ついたことを意味する。

頭を丸刈りにする行為は、日本では悔い改めの儀式とみなされる。峯岸さんは動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿した映像で「とても軽率で、自覚のない行動」だったと振り返り、この動画は300万回以上も再生された。きっかけは、峯岸さんがダンス・ボーカルユニットの男性メンバー宅に泊まったと週刊文春に報じられたことだった。

AKB48のブログによると、峯岸さんは「研究生」に降格された。日本の芸能メディアはスキャンダル報道でもちきりになった。ある業界関係者は「完璧な話題だ。紙面を埋めるためのネタを尽きることなく提供してくれる」と解説する。

AKB48は10代の若者を対象にしていると思われがちだが、観客はサラリーマンで構成されることも多い。総合プロデューサーの秋元康さんには、若い女性の性を売り物にしているとの批判もある。ビデオクリップなどの映像ではメンバーたちが露出度の高いミニスカート姿で登場し、食べ物を口移ししたり、一緒に入浴する場面もある。

秋元さんはCNNの取材に対し、これは芸術かわいせつかの問題と同じであり、どう見るかは個人の判断に委ねるべきだと語った。

AKBの曲『制服が邪魔をする』で秋元さんが作詞した「制服を脱ぎ捨てて もっと 不埒(ふらち)な遊びをしたいの 何をされてもいいわ 大人の愉(たの)しみ  知りたい」という一節に対しては批判もある。秋元さんは、メンバーは自分の体験を語っているのではなく「演じているのだ」と語る。

『軽蔑していた愛情』という曲では、中学生がなぜ自殺をするのか取り上げたと語る秋元さん。作詞家として少女たちが直面している問題を取り上げなければ、そうした問題への対応もできないと反論する。

制服を脱いで悪いことをしたいと思っている子どもたちは存在しており、自分が描写しているのはそうした現実だと秋元さんは言う。「想像したり、新聞記事やテレビのニュースなどを見て、いじめや自殺など、この世代が抱える問題に目を向けている」と語った。

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