ツイッターでインフルエンザ流行地域の予測目指す 米研究

2013.02.01 Fri posted at 09:00 JST

(CNN) 全米でインフルエンザが猛威を振るうなか、ツイッターなどのソーシャルメディアを通して発生状況を把握する研究が盛んに行われている。米ジョンズホプキンズ大学の研究チームはこのほど、インフルエンザに関するツイートをより正確に選別する方法を開発した。

チームの目標はインフルエンザの発生状況を追うだけでなく、感染がいつどこへ広がるかを予測することだという。事前の警告があれば一般市民は予防を心がけ、医療機関や学校も流行に備えることができる。ツイートに付いている位置情報から、患者のいる場所がリアルタイムで正確に特定できるのが強みだ。

だが1日3億4000万件にも上るツイートには、紛らわしい情報も多数含まれている。インフルエンザの流行が全米でニュースになれば、自分がかかっていなくてもインフルエンザについて語る人は急増する。「インフルや病気という単語だけを拾ってもうまくいかない」と、チームの研究者は指摘する。

チームではこうした問題を修正するアルゴリズムを使い、必要な情報だけを取り込んでいる。もともとツイッターで保健関連の情報を追跡する研究を進めていたが、インフルエンザの流行を受け、対象を絞ることにしたという。

ソーシャルメディアによる追跡自体は新しいテーマではない。ツイッターやフェイスブックへの書き込みに基づく地図や、グーグルで検索されるキーワードから流行状況を推測するサイトも登場している。グーグルは2009年、米疾病対策センター(CDC)と共同で同年大流行した新型インフルエンザにそのツールを適用している。

ただしインフルエンザなどの流行に最も敏感な高齢者や子どもは、ネット上にリアルタイムの投稿をしない傾向が強い。従って、ソーシャルメディアの追跡では、これらの人々の状況が反映されにくいという弱点もある。

一方、CDCが病院や保健当局からの報告を基に毎週発表しているインフルエンザ情報は、ソーシャルメディアに比べて遅れが出るものの、ウイルスの型まで判別し、ワクチンの配合などに役立てられている。

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