世界遺産環礁での米艦船座礁、えい航断念 サンゴ礁へ被害

2013.01.26 Sat posted at 16:35 JST

(CNN) フィリピン南西部のパラワン島近くの「世界遺産」指定の環礁で掃海艦「ガーディアン」が起こした座礁で、米海軍は26日までに、船内への浸水や船体の損傷がひどいためえい航は不可能との判断を示した。

代替措置として、クレーンを積んだ船を向かわせ、つり上げてガーディアンを移動させる。掃海艦の装備類を取り外して重量を減らし、はしけ船などに載せる予定。この作業には2週間掛かる見通し。クレーンは1週間内に到着予定。

米海軍幹部によると、掃海艦の船腹の数カ所で浸水があり、相当な水量になっている。自力での航行は不可能と判断した。当初、満潮の時を狙って同艦の移動を試みたが失敗していた。

ガーディアンは1月17日、スルー海にあるパラワン島から東南東へ約130キロ離れたトゥバタハ環礁で座礁。現在は環礁の周縁部分から約20~30メートル入り込んだ場所にある。当初は船首部分のみが環礁に入っていたが、波で船体全てが環礁内部に押し流された。

同環礁の自然公園は世界遺産に指定され、絶滅危惧種などの魚類、サンゴ礁やサメが生息している。

ガーディアンの全長は約68メートルで、重量1312トン。フィリピンのスービッグ基地からインドネシアの寄港地へ向かっていた。乗組員79人は事故後に他の船へ退避していた。

海軍幹部によると、燃料油などが漏えいした形跡はない。25日には他の船舶がガーディアンから約57キロリットルのディーゼル油を抜き取ったと発表した。ただ、サンゴ礁へ被害を与えたことは認めた。フィリピン政府は先に、広さ約1000平方メートルにわたって同環礁が損傷したと主張、損害賠償を求める方針を示していた。

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