エジプト全土で衝突、死傷者数百人 政変から2年

2013.01.26 Sat posted at 14:48 JST

カイロ(CNN) エジプトの旧ムバラク政権を打倒した国民蜂起の開始からちょうど2年となった25日、全国各地で反政府集会などが開かれ、一部で警官隊や政府支持派との衝突が発生、少なくとも7人が死亡した。国営テレビなどが報じた。

死者が両派のどちらかは不明。保健省によると、この騒乱で全国で少なくとも民間人348人が負傷。警官31人と治安要員97人もけがした。

反政府派とムルシ大統領派が衝突したスエズでは銃撃も発生、6人が死亡した。国営テレビによると同市の治安責任者は部隊がデモ隊に発砲したことを否定した。イスマイリア市でも1人が死亡した。

首都カイロでも反政府派の集会が開かれ、数千人規模が警官隊とにらみ合った。一部が暴徒化して火焔瓶を投げ付け、警察が催涙弾で応酬した。2年前の国民デモの主要舞台となった中心部タハリール広場でも少なくとも1万人参加の抗議行動が発生。同国経済の疲弊はムルシ大統領と支持基盤のムスリム同胞団の責任などと弾劾した。

新憲法案を巡り、抗議する人々

反政府派は、イスラム組織に支えられたムルシ大統領はムバラク政権を追放した革命の大義実現を追求しておらず、イスラム組織と共に権力集中を図っていると非難。25日の両派の衝突は、2011年1月の政変後の社会の深刻な分裂が癒(い)えていないことを改めて見せ付けた。

ムルシ大統領は短文投稿サイト「ツイッター」の自らのアカウントで声明を発表。国民による平和的な抗議行動の権利は容認しながら、暴力行為の処罰にはちゅうちょしない考えを示した。

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