スペイン紙掲載のチャベス大統領闘病写真、偽物と分かり撤回

問題の新聞を見せるリポーター

2013.01.25 Fri posted at 14:59 JST

マドリード(CNN) スペインの有力紙パイスが24日、キューバで闘病中のベネズエラのチャベス大統領(58)の写真を独占入手したとして、1面に大々的に掲載した。ところが写真の人物が別人だったことが判明し、この日のうちに撤回。ベネズエラ政府は同紙に対して法的措置を取ると表明した。

問題の写真には、病院で器官チューブを挿管されてベッドに横たわる男性が写っていた。

写真は同紙のウェブサイトにも掲載されたが、同紙は約30分後にこれを削除。新聞の発行も中断して発行済みの版を回収、訂正版を配り直した。

同紙はウェブサイトに掲載した謝罪文で、問題の写真はチャベス大統領を撮影したものとして、ある仲介者から提供を受けたと説明。写真が掲載された経緯と、本物かどうかの確認作業に問題がなかったかどうかを調べるため、調査を開始したとしている。

チャベス・ベネズエラ大統領

チャベス大統領はがんのため12月にキューバで手術を受けた後、公の場に姿を見せておらず、写真も公表されていない。しかしソーシャルメディアには数週間前から、チャベス大統領を写したと称する写真が何枚か出回っていた。

パイス紙が掲載した写真は2008年に動画共有サイトに投稿された、チャベス氏とは無関係の動画のものとみられる。

ベネズエラのビレガス情報相は同日、「この種の行為を見過ごすことはできない」として、パイス紙に対し法的措置を講じると表明。「あらゆる法的手段を駆使して、チャベス大統領のみならず、ベネズエラ社会が被った損害回復のための措置を取る」と語った。写真の掲載は、ベネズエラに不安をまき散らして不安定化させることを狙った右翼メディアのキャンペーンの証だとも主張している。

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