マリ・セバレ(CNN) イスラム武装勢力との戦闘が続く西アフリカのマリで21日、政府軍が中部の要衝ディアバリーを掌握した。同国ではフランスがマリ政府の要請を受けて軍事介入し戦闘が激化。その影響で隣国アルジェリアなどの砂漠に脱出する住民が増え、難民支援団体は深刻な人道危機が発生していると警告する。
軍の広報によると、マリ軍はフランス軍の地上からの助けを借りずにディアバリーを奪還。フランス軍も、空からの援護のみ行ったことを確認した。フランス当局者も同日、マリ軍が武装勢力を森林に追い詰め、ディアバリーと周辺地域を掌握したと語った。
マリの当局者はCNNに対し、イスラム武装勢力は自分が見たこともないような高度な兵器を使っていたと話し、こうした兵器はリビアから流入したとの見方を示した。
マリではトゥアレグ族が昨年リビアで故カダフィ大佐を支持する勢力に加わり、その後武器を持ってマリに帰国。軍事クーデターに乗じてイスラム過激派が同国北部を制圧した。
フランスは今回、これまでに少なくとも2150人の兵士をマリに派遣しており、政府は21日、さらに増派を検討していることを明らかにした。
一方、ノルウェーの難民支援団体によると、マリでは極端な治安の悪化を受けて住民が避難を余儀なくされ、北部地域から隣国アルジェリアの砂漠地帯に逃れる住民も増加。こうした難民は過酷な状況に置かれ、食料や水も不足しているという。
避難民の多くは船舶やバスを使う余裕がなく、徒歩で避難しているが、特に女性や子どもは深刻な身の危険にさらされ、負傷者は爆撃を恐れて病院にも行けない状況だと同団体は指摘する。