アルジェリア人質事件、救出作戦で12人死亡か

2013.01.19 Sat posted at 11:18 JST

(CNN) 国営アルジェリア・プレス・サービス(APS)は、17日にアルジェリア軍が行った人質救出作戦で、外国人100人を含む650人の人質が解放されたが、少なくとも12人が死亡したと伝えた。

アルジェリア人と外国人労働者合わせて少なくとも12人が死亡したという。APSは、この人数は「暫定的数字」としている。死亡した12人の中には、米国人1人、フランス人1人、英国人1人が含まれている。

またAPSによると、武装勢力18人が無力化したという。

APSは少なくとも30人の外国人労働者が行方不明と報じているが、個別の確認は取れていない。

米国務省が発表したところによると、米国人6人が解放されたか脱出した。他の人質に関する情報など詳細は伝えられていない。

今週はじめに2人の米当局者が3人のアメリカ人が人質になっている可能性があると語っていた。また、キャメロン英首相は18日、30人近くの英国民が人質になっていることを明らかにしていた。

アルジェリアの天然ガス施設での人質事件で、犯行グループのイスラム武装勢力に捕らわれている人質の人数は依然として明らかになっていない。

アルジェリアでガス施設が襲われ日本人や欧米人が拘束されたという

ノルウェーのエネルギー企業スタトイルによると、同社の8人の社員の安否が不明だという。日本の菅官房長官も記者会見で邦人の安否が不明だと述べた。またマレーシアの国営通信社は17日、外務省の話として、2人のマレーシア人が人質になっていると報じていた。

今回の事件で犯行声明を出したのは、アル・カイダ系過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアル・カイダ(AQIM)」の関連武装組織「覆面旅団」。

この覆面旅団を率いるモクタール・ベルモフタールの広報担当者が、2人の囚人と引き換えにアメリカ人の人質を解放すると申し出たと報じられているが、米国務省のヌーランド報道官はこの報道を否定し、テロリストとは交渉しないとの米国の方針を改めて表明した。

英当局者はこれに先立ち、人質救出に向けた「継続的な活動」が各地で行われていると述べていた。活動の詳細については不明。同当局者は事件で犠牲となった英国人は「かなりの」数に上ると語った。キャメロン英首相は17日、「さらに悪い知らせがくる可能性に備えておくべきだ」と語っていた。

菅官房長官は記者会見で、人質の安全に関する情報が錯そうしていると述べた。日本政府からアルジェリア政府に対して、人質を危険にさらすことのないように要請していたと明らかにし、同国軍による作戦実行について遺憾の意を示した。

フランス軍の装備を輸送してきた英空軍=マリ、英国防省提供

この事件では同国東部イナメナスにある英石油大手BPの天然ガス関連施設が16日にイスラム武装勢力に襲撃され、アルジェリア人と外国人が人質に なった。16日の時点でアルジェリア人1人と英国人1人が死亡。襲撃は、フランスがマリに軍事介入したことに対する報復とみられる。

また、アルジェリアのラジオ局によると、アルジェリア軍は現場から走り去ろうとしていた車を銃撃し、付近でも大規模な衝突が発生。米当局者は17日、情報収集のため、施設上空に無人戦闘機を飛ばしていることを明らかにした。

米国務省当局者は、人質の一部は爆弾を仕掛けたベストを着せられていると語った。

報道によれば、フランス人看護師1人が解放されたとの情報もある。また、アイルランド首相は、アイルランド人男性1人が解放され、既に家族とも連絡を取ったと発表した。アイルランド男性は乗っていた車がアルジェリア軍に攻撃された際に、手を縛られて口にテープをはられ、首に爆弾を巻きつけられたままの状態で自力で脱出したという。他の4台の車は完全に爆破されてしまったという。

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