フランス軍がマリ北部を空爆、14日に安保理会合

マリでの軍事作戦に向けて準備する仏軍

2013.01.14 Mon posted at 10:19 JST

(CNN) 西アフリカのマリで同国政府の要請を受け軍事介入しているフランスは、マリ北部で13日にイスラム武装勢力の拠点に対する空爆を行ったと発表した。国連安全保障理事会はフランスの要請を受け、14日に会合を開いてマリ情勢について協議する。

フランス国防省は、13日の空爆で「テロ組織の拠点」数カ所を破壊したと発表。「フランスの目標はテロ組織に対する容赦ない攻撃を主導し、同組織によるマリ南部への新たな攻撃を阻止することにある」とした。ルドリアン国防相は欧州のラジオ局に対し、「テロリズムを壊滅させなければならない」と力説した。

フランスは数百人規模の地上軍も展開しており、近くアフリカ近隣諸国からの部隊も加わる予定。

一方、マリのイスラム武装勢力は13日、マリ政府軍とフランス軍による攻撃で大きな打撃を被ったことを認めながらも、抵抗を続ける姿勢を強調した。国際テロ組織アルカイダとの関連が指摘されるマリのイスラム武装勢力「アンサール・ディーン」の広報はCNNの電話取材に対し、「これは聖戦であり、死は日常だ。我々の戦闘員は大義のために命を捨てる覚悟がある」と話した。

同勢力は10日にマリ中部の都市コナを制圧したが、翌日には空爆と地上攻撃を受けて撤退した。同勢力の広報は、フランス軍がマリの市民を攻撃していると非難、「フランスこそ真のテロリストだ」と話している。

これに対してフランスとマリの軍当局者は、攻撃は武装勢力の拠点を標的としており、民間人は標的にしていないと説明した。13日の空爆で死傷者が出たかどうかは分かっていない。

北部の都市ガオの住民は、イスラム武装勢力の拠点付近でジェット戦闘機の爆撃音が聞こえたと証言。ガオと武装勢力の拠点を結ぶ道路上に複数の遺体が横たわっているのを見たという男性は、「遺体は逃げようとしたイスラム勢力の戦闘員のものだと思う」と話した。

マリ国営テレビが政府の発表として伝えたところでは、武装勢力側はコナの戦闘で11人が死亡、約60人が負傷している。一方、ルドリアン国防相によれば、11日にコナ付近でテロ組織に対する空爆作戦に参加していた仏軍ヘリコプターのパイロット1人が死亡した。

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)はコートジボワールのアビジャンで緊急会合を開き、安保理決議に基づくマリへの派兵について協議する。派兵規模は3500人程度となる見通し。安保理は12月にマリに対する軍事介入を承認している。

マリ大統領府は13日に短文投稿サイト「ツイッター」への投稿で、カナダと英国、米国が後方支援の提供で合意したと明らかにした。英首相府は、外国の部隊および装備の迅速な輸送を支援するため、後方軍事支援を提供することで合意したと発表。米軍関係者は12日、後方支援やフランスへの情報提供などを含め、対応を検討していると語った。

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