ビール醸造業者はビールの味で評価すべし ミラークアーズCEO

2012.12.30 Sun posted at 17:07 JST

(CNN) 先日、小規模ビール醸造業者の業界団体が「クラフト」ビールの最新の定義を発表した。ミラークアーズは企業規模が大きすぎるため、その定義ではクラフトビールの醸造業者とはみなされない。市場で最も人気のあるクラフトビールの一部は、われわれが醸造したビールであるにもかかわらずだ。

醸造業者の中には自らを差別化したいと考える業者もいるという事実は尊重する。しかし、最終的にビールを評価するのは業界団体ではなく、ビールを飲む人々だと確信している。

ビールの種類を問わず、醸造業者は最終的に醸造したビールの質で評価されることは分かっている。ビールの質ではどこの、いかなる規模の業者にも引けを取らない自信があるので、質で評価されるのは歓迎だ。

米国で最も人気のあるライトビールの一部を醸造している会社として特に良く知られているため、質による評価を歓迎するとのわれわれの主張に懐疑的な人もいるかもしれない。しかし、ビールの種類と質を混同しないでいただきたい。さわやかなのど越しのライトラガーであれ、ホップが効いて切れのある味のインディア・ペール・エール(IPA)であれ、われわれの醸造長たちはそれぞれの種類で優れた品質のビールを作ることに没頭している。

本記事は、米ビールメーカー、ミラー・クアーズのトム・ロングCEOによる寄稿です。

ミラークアーズのルーツは、先見の明があった2人の移民起業家フレデリック・ミラーとアドルフ・クアーズが醸造所を開いた19世紀半ばまでさかのぼる。たしかに現在の会社の規模は大きいかもしれないが、ミラークアーズは自分たちのビール文化や伝統に大きな誇りを持つビール職人の会社だ。

また、醸造技術を大切にする伝統にも誇りを持っている。今から約25年前、ヤコブ・ライネンクーゲル社を買収した。同社は優れたビールを作っていたが、当時は資金繰りに苦しむ小規模醸造業者が多く、ライネンクーゲルも例外ではなかった。同社は1867年に設立された歴史ある会社で、われわれは同社にビールの作り方を指示しないことを約束し、現在もそれを守っている。

現在、ライネンクーゲル家は6代目が事業を受け継ぎ、レモネード味で人気の「サマー・シャンディ」など、これまで以上にさまざまな種類や味を試している。

また1995年に設立されたブルームーン・ベルジャンホワイトは、ベルギービールがまだあまり知られていなかった頃に米国のビール愛飲家たちにベルギービールを紹介した。主力製品のブルームーンは当初はあまり売れなかったが、その後、米国のクラフトビールのベストセラーとなった。

本記事は、米ビールメーカー、ミラークアーズのトム・ロングCEOによる寄稿です。

ライネンクーゲルやブルームーンの醸造者たちに独立して事業を運営させ、各企業の個性の維持、継続的な実験、限界への挑戦を可能にしている。

大規模醸造業者として、クラフトビールの出現を脅威とは見ていない。なぜなら米国のビール業界には革新が不可欠と分かっているからだ。実際、クラフトビールがビール業界で重要な役割を果たしてくれたことを評価している。また、米国の歴史のどの時点よりも多くの醸造業者やブランドが存在し、愛飲家たちがより多くの選択肢から選べることはビールにとって良いことだと考えている。

今後もその革新において重要な役割を果たし続ける覚悟だ。ビール愛飲家の皆さんには、好みのビールの種類に関わらず、ぜひ醸造業者をビールの質で判断していただきたい。

本記事は、米ビールメーカー、ミラークアーズのトム・ロングCEOによる寄稿です。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。