中国の奇想天外なゴルフ場 コース内にマヤ遺跡や万里の長城も

丼に浮かぶグリーン: 丼型のハザードがある  (C)SCHMIDT-CURLEY DESIGN

2012.12.31 Mon posted at 11:11 JST

(CNN) 中国に奇想天外なゴルフ場が誕生する。巨大な「丼」に浮かぶグリーン、万里の長城のハザード、マヤ遺跡を縫うように進むフェアウエー、パンダをかたどったホールなど、これはまさにありえないスケールでプレーするミニゴルフの要素を含んだゴルフだ。

2016年のリオデジャネイロ五輪でゴルフが再び正式種目として採用されるのを前に、中国がゴルフ熱に沸いている。

「従来のゴルフが好きな人たちは気に入らないかもしれない」と語るのは、シュミット・カーリー・デザイン社の主要パートナー、ブライアン・カーリー氏だ。同社は、中国海南島で開発中の世界最大のゴルフリゾート、ミッションヒルズ・ゴルフクラブの22コースの設計を担当している。

「しかし、これは本物のフェアウエーの上で本物のクラブを使ってプレーする本物のゴルフだ」(カーリー氏)

ミニゴルフはいわばゴルフの縮小版で、ミニゴルフ用コースは通常、海辺のリゾートなどに設置されている。誰でも一度は腕試しをした経験があるだろう。規模は小さいが、面白さは普通のゴルフに引けを取らない。

好スコアを出すには、ボールを真っすぐ転がしたり、障害物に当たらないように難しい角度で打ったりするなど、通常のゴルフの技術も多少必要で、さらに運も重要な要素だ。

壁の設計図:万里の長城のあるホールのデザイン画 (C)SCHMIDT-CURLEY DESIGN

オバマ米大統領は、休暇中はチャンスさえあればコースに出るほどゴルフ好きで知られ、2010年の休暇にフロリダで家族とミニゴルフを楽しんだ。

大統領は最初のホールをパーで終えたが、大統領の9歳の娘のサーシャさんが見事ホールインワンを決め、世界各国の報道陣の前で父親を破った。

恐らくオバマ大統領は、カーリー氏のゴルフリゾート、ミッションヒルズ・ハイコウで開発されている斬新な新コースで自分のハンデキャップを賭けてプレーしたいことだろう。

このコースは、ミニゴルフの奇抜な要素と「大人らしい」普通のゴルフを組み合わせた全18ホールのコースで、9歳の子どもが好スコアを叩き出すことはまずないが、平均的実力のあるいわゆる「アベレージゴルファー」も何度も屈辱を味わうことになるだろう。

空想的なゴルフコース

今や中国は世界で最も急速に拡大しているゴルフ市場であり、次々と新たなゴルフコースが建設されている。しかし、どのコースもどこか「似ている」印象があることから、カーリー氏のチームは、中国の幅広い層の人々やリゾートを訪れる人々の興味をそそるようなコースを作りたいと考えた。

そこでまず、400メートルのパー4のホールでバンカー、ラフ、木の代わりに、万里の長城のレプリカを採用した。

パンダの力:中国で最も人気のあるジャイアントパンダをイメージしたホールのデザイン画 (C)SCHMIDT-CURLEY DESIGN

またこのコースには、米フロリダ州のゴルフコース、TPCソーグラスにある悪名高い「アイランド・グリーン」に匹敵する難ホールがある。TPCソーグラスは、アメリカPGAツアーゴルフトーナメントの1つ、ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップの開催地として知られ、アイランド・グリーンはその17番ホールにある周りが池に囲まれた浮き島のグリーンだ。

2014年にオープン予定のミッションヒルズの新コースでは、池の代わりに幅80メートルの丼が設置され、丼の上には長さ50メートルの巨大な「はし」も乗っている。

強風が吹くゴルフコース

またカーリー氏は、各ティーグラウンドに「人為的に」強風を吹かせる機能を追加すると公約している。この強風はプレーヤーの基準に応じて調整が可能で、赤いボタンを押すと風が吹く仕組みだ。

この他にも、マヤ遺跡を縫うように進むパー5のホールや、北京オリンピックのメーンスタジアム「鳥の巣」をイメージして作られたグリーン、さらに中国でも人気のパンダをかたどったホールなどがある。

従来のゴルフコースでは、ホールの難易度はどのティーグランドから第1打を打つかで決まる。一流のプロたちはホールから最も遠いティーグラウンドから打つが、高ハンデプレーヤーはホールにはるかに近いティーグランドから打てる。

TPCソーグラスの名物:米フロリダ州のゴルフコース、TPCソーグラスには周りが池に囲まれた「浮き島」のグリーンとして知られる「アイランド・グリーン」がある

しかし、ミッションヒルズコースのあるパー3のホールでは、溶岩に囲まれた非常に小さなグリーンを狙うことができる。

また溶岩をテーマにしたこのホールには小さな山があり、その山に向かってボールを打つと、まるで本物のミニゴルフのように、ボールがパイプを伝ってホールの近くまで転がってくる。

カーリー氏のチームは、費用のかかるプロジェクトに着手する前に同リゾートのオーナーたちの許可を得る必要があったが、ミッションヒルズ・グループのケン・チュー会長は、カーリー氏らの熱心な支援者だ。

カーリー氏らのプロジェクトへのチュー氏の信頼が根拠に基づくものであるか否かは時間がたたないと分からないが、ミッションヒルズ・グループはすでに世界の一流プロトーナメントの開催地としての地位を確立している。

1995年には、深センにあるミッションヒルズのコースでワールドカップが開催され、さらに昨年は海南島のコースで開催された。また深センのコースでは今年、男子ゴルフの世界選手権シリーズ、HSBCチャンピオンズが開催され、イアン・ポールター(英国)が優勝した。

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