(CNN) 大みそかに期待しすぎてがっかりする人は少なくない。イベントの準備期間中の誇大広告があまりに多すぎて、実際に大みそかになると期待外れに終わることが多いのだ。
浮かれてバカ騒ぎする人々、タクシー待ちの長蛇の列、それよりもさらに長いトイレ待ちの列・・・。多くの人が大みそかは家でビールを飲みながらゆっくり映画でも見ようと考えるのも無理はない。
しかし世界には、最前列の特等席をめぐる激しい争奪戦に思わず参戦したくなるほど見応えのある素晴らしいイベントが開催される場所もある。
まずは欧米を中心に5都市をピックアップ。
ニューヨーク
大みそかにニューヨークで開催される「ボールドロップ(ボール落とし)」イベントには、氷点下の気温をものともせず、100万人以上の人々が参加する。今年は、年越しライブにテイラー・スウィフト、PSY、ネオン・トゥリーズなどが出演を予定している。
105年の歴史を誇る「ボールドロップ」イベントでは、直径約3.6メートル、2688個のウオーターフォード・クリスタルがちりばめられ、3万2256個の発光ダイオード(LED)で照らされたタイムボール(報時球)が、高層ビル「ワン・タイムズスクエア」に設置された旗竿を12月31日午後11時59分から1分間かけて21メートル落下する。
午前0時になると、建物の屋上から放たれた色鮮やかな紙吹雪が舞い、観客は「オールド・ラング・サイン(蛍の光)」やフランク・シナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」の演奏に酔いしれる。
ベルリン
ベルリンの大みそかは、恒例の仮装レース「ベルリナー・ジルベスターラウフ」で盛り上がる。夕方には、ブランデンブルク門周辺が世界最大規模の野外パーティー会場に変貌し、人々は仮装レース用のゴリラの衣装からパーティー用の衣装に着替える。
ブランデンブルク門から戦勝記念塔までの2キロは「パーティー・マイル」となり、多数のダンスフロアやステージ、バーが設けられ、ディスクジョッキー(DJ)たちが観客を楽しませる。今年、パリザー広場のステージでは、海外や地元のミュージシャンが演奏を行う。
午前0時が近付くと、レーザーやライトショーが夜空を照らす。そして午前0時ジャストに2000発以上の花火が打ち上げられ、ニューヨークのような球落としイベントが開催される。
ロンドン
2012年はロンドンにとって、オリンピックとパラリンピックやエリザベス女王の即位60周年(ダイヤモンド・ジュビリー)祝賀イベントが開催されるなど、特別な1年だった。そして大みそかにも、華やかな年越しイベントが予定されている。
ロンドンでは毎年、大みそかに高さ135メートルを誇る大観覧車「ロンドン・アイ」の下から花火が打ち上げられる。この花火を観賞するなら、テムズ河畔に場所を確保するか、テムズ川クルーズを予約するなどしたほうがいいだろう。
1月1日には、市内の通りでニューイヤーズ・パレードが行われる。2013年は「ロンドンに脱帽 世界の新年祝賀会の中心」と題し、1万人を超えるミュージシャン、ダンサー、曲芸師がパフォーマンスを披露する。
エディンバラ
エディンバラで毎年大みそかに開催される年越しイベントは、12月30日に2万5000人以上の地元の人々が参加する「たいまつ行進」で幕を開ける。シェトランド州でバイキング時代の遺産を記念して行われる火の祭典「ウップヘリーアー」のバイキングの衣装を着た人々を先頭に、音楽隊がバグパイプやドラムを演奏しながら行進し、最後に市の中心部にあるカールトンヒルで花火が打ち上げられる。
さらに31日の大みそかには、「オールド・ラング・サイン(蛍の光)」を歌うために推定8万人の人々が街頭に繰り出す。恐らく、この曲の演奏としては規模、音量ともに世界最大級だろう。さらに今年は、英国の3組のロックバンド、マカビーズ、オーケー・ソーシャル・クラブ、シンプル・マインズが年越しライブを行う。
シドニー
オーストラリア人の有名人で大みそかの楽しみ方を知っている人がいるとすれば、それは歌手のカイリー・ミノーグだろう。今年、ミノーグは大みそかにシドニーで行われる年越しイベントの企画大使を務める。
この年越しイベントは、大みそかの昼間に航空ショーで幕を開け、続いて先住民の伝統行事である浄化セレモニーが行われる。オーストラリアの先住民アボリジニーとトレス諸島民の船でたかれた煙が港を漂い、悲観的な精神の水を取り払う。
その他に、家族向けの早めの花火大会やボートショーなども行われるが、最大の目玉は深夜にハーバーブリッジで開催される花火大会だ。今年のテーマは明らかにされていないが、主催者によると「観客を興奮させる新たな工夫」が施されるという。