(CNN) 北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は今年も24日から25日にかけ、世界を飛び回るサンタクロースを追跡した。子どもたちから電話を受けてサンタの現在地を知らせるボランティアに、ミシェル・オバマ米大統領夫人も参加した。
NORADでは米東部時間24日午前6時から、子どもたちからの電話の受け付けを開始した。広報担当者によると、今年は世界中から合わせて電話約10万件、電子メール約1万通が寄せられる見通し。NORADの職員や家族らが応対し、コールセンターのスクリーンに映し出されるサンタの現在地を伝える。この情報はフェイスブック、ツイッター、ユーチューブなど、インターネット上でも公開された。
運のいい子どもはミシェル夫人と話すこともできた。夫人は休暇で滞在しているハワイで電話に対応。米ノースカロライナ州からかけた5歳の少年には、「サンタは今リビアの子どもたちに贈り物を届けているところ。これまでに全部で何個届けたと思う?」と問いかけた。少年が「分かりません」と答えると、「計30億以上ですよ」と伝えた。
子どもたちからは難しい質問を投げ掛けられることもある。同広報担当者はある子どもに「サンタさんはオバマ大統領と、野党共和党の大統領候補だったミット・ロムニー氏とどちらが好きなの」と尋ねられた。「一番うまく答えられるのはサンタさん本人でしょう。私たちの仕事は、サンタさんに安全な旅をしてもらうことだからね」と答えた。
NORADによると、サンタが民家を訪れるのは夜9~0時だが、子どもが寝た後という条件がある。24時間のうちに世界中を回ることができるのは、「私たちとは異なる時空間」で活動しているからだという。
NORADは普段、最新システムを駆使して北米への脅威を監視している。そのシステムを利用したサンタの追跡は1955年、偶然からスタートした。コロラド州の地元紙の広告に掲載されたサンタへの電話番号が間違っていてNORADの前身につながってしまった。当時司令官を務めていたハリー・シャウプ大佐が電話を切る代わりにサンタの位置を調べさせ、子どもたちに伝えたのが始まりとされる。