NRA、一切の銃規制反対を改めて表明 各方面から批判相次ぐ

2012.12.24 Mon posted at 12:08 JST

(CNN) 米コネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件を受けて銃規制が論議される中、米有力ロビー団体、全米ライフル協会(NRA)の幹部が23日、NBCテレビの番組に出演し、銃に対する一切の法規制に反対する姿勢を改めて明確にした。

NRA最高責任者のウェイン・ラピエール氏は番組の中で、「この町が銃規制について論議したがっているのは知っているが、うまくいくとは思わない」と強調。NRAが21日の記者会見で提唱した全米の学校に武装警備員を配備する計画について、「予算割り当てのための法案が直ちに議会に提出されることを支持する」と語った。

与党民主党の議員が提案している銃規制法案をめぐっては、殺傷力の高い銃器の禁止措置を復活させたとしても、子どもたちの安全対策は強化できないと一蹴。1度に撃てる銃弾の数を制限するため大容量の弾倉の販売を禁止する法案についても、今回の事件を起こしたような人物が大量殺人を実行できる方法はいくらでもあると主張して、反対を表明した。

さらに、現在ある銃規制法の大部分は執行されておらず、新しい規制は一切支持しないと言明し、「メディアは何か起きるたびに銃のせいにしたがる」と不満をぶつけた。一方、心の問題への対応を強化する取り組みは支持するとした。

NRAの発表に対しては、各方面から批判の声が高まっている。

武器携行の権利を認めた憲法修正第2条が記されたTシャツを着る男性

無所属のジョー・リーバーマン上院議員(コネティカット州選出)はCNNの取材に対し、「NRAの発表には本当に失望した。子どもたちが大量に殺害された事件についての理解を反映しているとは思えない」と語った。

リーバーマン議員はさらに、「NRAは、銃犯罪の原因となり得るすべての要因について対策を講じることに前向きだが、銃は例外という姿勢だ。軍が使うような殺傷力の高い武器も含めて銃が簡単に入手できてしまうことが要因としてあるのは紛れもない事実なのに、そのことは論議するなという。私はNRAがすべてを論議の対象にすると表明してくれることを期待していた」と話している。

また、「この国が直面している危機に対する恥ずべき回避策」(マイケル・ブルームバーグ・ニューヨーク市長)、「非常に恐ろしく、非常に不穏だ」(共和党全国委員会のマイケル・スティール前委員長)といった非難の声も相次いだ。

一方、共和党議員を中心に、ピエール氏に賛同する意見もある。テキサス州のリック・ペリー知事は、学校への武装警備員配置や、教員の武器携行を支持する姿勢を示した。

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