米大統領、銃犯罪対策を来月までに提示 「もう言い訳できない」

2012.12.20 Thu posted at 11:20 JST

(CNN) オバマ米大統領は19日、米コネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件を受けて記者会見し、1月までに銃犯罪対策を打ち出すと表明した。児童や教員27人が殺害された14日の事件をきっかけに、米国では銃規制や心の問題のケア、学校の安全対策をめぐる論議が再燃している。

オバマ大統領は記者会見で、バイデン副大統領が率いる対策チームを発足させて、銃犯罪対策のための具体的な提案を1月までに取りまとめると発表。対策チームのメンバーは閣僚と外部の有識者で構成し、「真の改革」の実現を目指すとした。

大統領はまた、法令を制定するだけでは銃犯罪を解決できないとしながらも、問題の複雑さを「何もしない言い訳にすることはもうできない」と強調。銃規制にとどまらず、「少なくとも銃を入手するのと同じくらい簡単に精神的ケアが受けられるようにする」方策が必要だと述べ、「銃や暴力をあまりに美化し過ぎる文化」にも立ち向かわなければならないと訴えた。

銃規制強化をめぐって米民主党のダイアン・ファインスタイン上院議員は、2004年に失効した殺傷力の高い銃器の禁止を復活させる法案を提出すると発表。カーニー米大統領報道官は18日、大統領が同法案を支持すると表明した。オバマ大統領は19日の会見でも、議会に迅速な対応を呼びかけている。

ただ大統領は、銃を持つ権利は米国憲法で保障されているとも述べ、「わが国には世代から世代へと受け継がれてきた銃所持の根強い伝統がある」と付け加えた。

サンディーフック小学校の教師の死を悼み、集まった人々

一方、事件が起きたコネティカット州ニュータウンでは、米連邦捜査局(FBI)と州警察が、小学校で銃を乱射し自殺したアダム・ランザ容疑者(20)の動機などについて捜査を進めている。

捜査関係者によれば、ランザ容疑者の自宅にあったコンピューターは、同容疑者がたたき壊してHDDも念入りに破壊したとみられ、情報を引き出すことはできていないという。

当局によると、ランザ容疑者は小学校に押し入る前に母親のナンシー・ランザさんを殺害している。友人が19日に明らかにしたところでは、ナンシーさんは殺害される前日まで、休暇を取ってニューハンプシャー州の高級リゾートに1人で滞在していた。ナンシーさんは1人で旅行に出かけることが多く、息子を残していくことに不安そうな様子を見せたことはなかったという。

調べによると、ランザ容疑者はナンシーさんが持っていた拳銃2丁とライフル銃1丁を持ち出し、小学校で乱射したとされる。

児童や教員の葬儀は19日も続き、事件から1週間を迎える21日午前には、全米各地で黙とうがささげられる。

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