米コネティカット州ニュータウン(CNN) 米コネティカット州ニュータウンのサンディーフック小学校で14日に起きた銃乱射事件で、死亡した子ども20人、大人6人は全員、複数の銃撃を受けていたことが、検視当局の調べで分かった。
同州のカーバー主任検視官は記者団に「30年以上この仕事をしているが、私や同僚がこれまで見たなかで最悪の事件だ」と語った。
州警察は15日午後、犠牲者の名前と年齢を発表した。子どもたちは全員が6~7歳で、女児が12人、男児が8人だった。大人は27~56歳。この中には同校の校長と心理カウンセラー、教師少なくとも2人が含まれている。
銃を乱射したとみられるアダム・ランザ容疑者(20)は校内で死んでいるのが見つかった。警察は自殺とみている。遺体の近くからライフル1丁、けん銃2丁が押収された。容疑者の自宅で、母親ナンシー・ランザさんの遺体も発見された。
警察は校内や容疑者宅を捜索し、銃撃を受けたなかで唯一の生存者とみられる女性らから事情を聴くなど、事件の全容解明を急いでいる。
複数の捜査当局者によると、容疑者とナンシーさんは同居し、ナンシーさんは銃を収集していた。容疑者は自宅でナンシーさんを殺害した後、ナンシーさんが所有していた銃を持って小学校へ向かったとみられる。ナンシーさんが同校の教師だったとの情報も流れたが、当局者らはこれを否定した。
校内で当時、校長や副校長、心理カウンセラーと打ち合わせをしていたという保護者によると、打ち合わせ中に破裂音が聞こえたため、3人が様子を見に行った。保護者は机の下に身を隠して緊急通報した。「犯人は100発くらい発砲していた」と話す。
同校では今年度から安全対策のため、毎日午前9時30分になると施錠していた。当局が最初の通報を受けたのはちょうどこの時間帯で、容疑者が施錠前に侵入したのかどうかは明らかになっていない。
校内の幼稚園児クラスを担当する教師は、「銃声のような音」を聞いてすぐに教室のドアに鍵をかけ、窓を覆って、子どもたちを1カ所に集めた。警察に呼ばれるまで、子どもたちを落ち着かせるために読み聞かせを続けたという。警官らは子どもたちに、整列して目を覆うよう指示し、遺体を見せないよう配慮しながら校外へ誘導したという。
現場一帯は大きな邸宅が並ぶ高級住宅地で、ニューヨークのマンハッタンや近隣の都市への通勤者が多い。