なりすまし電話のDJ、涙の謝罪 英妃入院先の看護師の死で

病院の前には数多くの取材陣が

2012.12.11 Tue posted at 10:38 JST

(CNN) 英ウィリアム王子の妻キャサリンさんが入院していたロンドンの病院の看護師が、オーストラリアのラジオ局のDJにだまされた後に自殺したとみられる問題で、なりすまし電話をかけたDJ2人が10日、オーストラリアのテレビ番組に出演し、涙ながらに謝罪した。ラジオ局は同日、問題を引き起こした番組の放送を中止し、看護師の死に深い哀悼の意を表した。

謝罪したのはラジオ局2デイFMのDJ、メル・グレイグさんと、マイケル・クリスチャンさん。それぞれエリザベス女王とチャールズ皇太子になりすまして4日に英ロンドンの病院に電話をかけ、キャサリンさんの容体を聞き出した。7日になって、この電話を病棟に取り継いだ看護師のジャシンサ・サルダナさん(46)が死亡しているのが見つかった。サルダナさんは自殺を図ったとみられる。

番組の中でグレイグさんは「遺族に対して本当に申し訳なく思っている」と話し、クリスチャンさんも「私たちがやったことについて、心から申し訳なく思う」と謝罪。現在の心境について「ひどく取り乱し、混乱し、胸が張り裂ける思い」だと語った。

なりすまし電話のアイデアは、番組前の制作会議で出されたといい、病院に電話したのは自分たちだが、その内容を放送するかどうかの決定権は自分たちにはなかったと2人は強調。録音内容は親会社サザンクロス・オーステレオの審査を経て放送されたといい、「私たちの役割は、ただ音声を録音することだった」とクリスチャンさんは釈明する。

サルダナさんのためにそえられた花

自分たちの英語はオーストラリアなまりが強く、まさか電話を取り次いでもらえるとは思わなかったといい、「電話を切られてそれで終わりだと思っていた」(クリスチャンさん)

ところが電話は病棟に取り継がれ、容体を聞き出すことができてしまった。「そこまでやるつもりはなかった。これまでにも多くの人たちがやってきた、馬鹿げた軽い冗談のつもりだった」とグレイグさんは言う。

サルダナさんの死を知らせる電話は「自分の人生で最悪の電話だった」とグレイグさんは涙をおさえ、「その死にもし私たちが関与していたとすれば、本当に申し訳なく思う」「遺族のことを考えない時はない。そしてその死に自分たちがかかわっているかもしれないと考えると、心が張り裂けそうになる」と語った。

2人は現在、番組を降板させられており、「復帰については考えたくもない」とグレイグさん。もし相手の気持ちが少しでも収まるのなら、遺族に会って謝罪したいと話している。

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