(CNN) 長時間のフライトの後、ベッドの上で取る睡眠は至極の喜びだ。しかし中には、到着と同時に仕事に向かうビジネス旅行者もいる。そこで、飛行中にどれだけ体を休められるかが重要になるが、機内で熟睡することは容易ではない。そこで今回は、機内で熟睡するためのコツを5つご紹介する。
1.寝やすい環境を整える
乗客は、機内の雑音や温度に関してはどうにもできないが、より寝心地の良い環境を整える方法はいくつかある。
「空の旅に適した服装をすること。不適な服装をしている人があまりに多い」と語るのは、ロンドンのフィジオセラピーとピラティスで睡眠を専門とする、サミー・マーゴ氏だ。
また、子どもの悲鳴や隣の人のいびきがうるさいと、つい映画やテレビを見たくなるが、それも得策とは言えない。
「映像よりも音声の方がはるかに良い。テレビの青い光は睡眠の質を低下させるので、睡眠の妨げになる」とマーゴ氏は語る。
「最も良いのは、オーディオブックやラジオを聴くこと。それにより他のことが気にならなくなり、リラックスできる」(マーゴ氏)
2.体を傾けるなら後ろではなく前に
誰でも背筋を伸ばして座ったまま寝るのは難しい。大半の乗客は、シートを倒して寝るのが最良の方法と考えるが、米大手航空会社で客室乗務員を務めるボビー・ローリー氏の提案は異なる。
「真ん中の席になってしまった場合、シートを倒しても腕の置き場に困り、全くくつろげない」とローリー氏は語る。
「最近、トレーに頭を乗せて寝る人が増えてきた。この方法なら、隣に迷惑を掛けずに腕を伸ばせる」
3.快眠に必要な物を持参する
航空会社が快眠の助けになる毛布や枕を提供してくれるとは限らない。そこでローリー氏は、自分に合った毛布や枕の持参を勧める。
また、マーゴ氏も快眠に役立つグッズとして、耳栓、アイマスク、首枕を挙げる。「自分に合った枕を見付けることが重要。値段が高い製品が良いとは限らない」(マーゴ氏)
4.飲み過ぎに注意
食べ物や飲み物の中には睡眠の妨げになるものもある。飛行中、こまめに水分補給をすると眠りにつきやすくなる。
ただしアルコールの飲み過ぎには注意が必要だ。「ワイン1杯程度ならリラックス効果があり、害はないが、飲み過ぎると脱水症状を起こし、熟睡できなくなる」とマーゴ氏は指摘する。
また、適切な食べ物を適切な時間に食べることも重要だ。できれば食事を通常の睡眠パターンに合わせた方がいい。また糖分の多い食べ物は刺激が強いので避けるべきだ。
「七面鳥、牛乳、オート麦、蜂蜜を食べるとよく眠れる」(マーゴ氏)
5.それでも眠れなければ睡眠補助薬を使用する
「人によっては睡眠薬が有効」とマーゴ氏は語る。マグネシウムのような自然療法も良い。
「ビジネス旅行者の中には睡眠薬の使用に慣れている人もいるが、普段あまり使用しない人が飲むとかえって敏感になるので注意が必要」とマーゴ氏は警告する。
またローリー氏は、服用量に注意するよう呼び掛けている。「睡眠薬の服用はぐっすり眠る最も簡単な方法だが、飛行時間を考慮する必要がある」
ローリー氏は、「飛行機が予定より1時間早く着陸し、テーブルで寝込んでしまった乗客を起こしたことが何度もある」とし、「飛行時間が短い場合は、服用量を半分にする必要がある」と付け加えた。