香港(CNN) 不動産管理などの大手コリアーズ社は22日までに、世界の駐車場料金に関する比較調査結果を発表し、アジア太平洋地域では香港の月あたりの料金の中央値744.72米ドルが最高額だったと発表した。2位は1ドル以下安かった東京だった。
この料金は2011年時点での数字で、現在の為替変動率では約6万181円に相当する。地元の不動産大手は、高額となっている背景には香港行政府が打ち出している住宅市場の規制があると分析した。
香港ではコンクリート造りの変哲もない車用オイルの染みもある駐車場の約2.4メートル、約4.9メートル大の一画が約0.092メートル当たり約5000ドルと算出された。
この駐車スペースを過去10年使い、地元メディアに「駐車ビジネスの帝王」とも呼ばれる不動産業企業の最高経営責任者(CEO)はオフィスにつながるエレベーターまで「徒歩20歩」と絶好の地の利を強調。
自ら保有するこの場所の2カ所の駐車場の売却価格は130万ドルと値踏みしている。「買い手は値段にはこだわっていないが、売りたいとは思わない」とも語った。
香港のオフィス賃料や住宅価格は既に世界でも最高値の水準にある。不動産大手サビルズによると、平均的な香港の住宅価格は2010年の初期以降、倍以上になった。
香港政府は2010年11月以降、不動産市場のバブル解消のため短期収益を狙う物件買収などでの規制をより厳しくした。ただ、地元の不動産業者によると政策は一定の成果をもたらしたものの駐車場用の土地確保などの競争を招く後遺症も招いた。
住宅売買件数は減少したが、駐車場用の土地確保の物件数は25%以上増えたという。産業や商業、小売業用の土地売買の件数は16%増ともなった。
過去2年弱で住宅売買件数は31%減少したが、住宅不動産の投資家らが規制強化の対象ではない駐車場といった商業不動産へ移行せざるをえなくなったからだ。
2010年11月以来、住宅売買件数は低下したものの、駐車場用の土地確保の物件数は25%以上増えたという。産業や商業、小売業用の土地売買の件数は16%増ともなった。
駐車場用地の確保を狙う動きは止まっておらず、投資も増えている。不動産業者はここ10年で件数は最高水準と指摘。今年11月時点での契約額は7億5100万ドルと説明、昨年の5億2500万ドルからは43%増となっている。
ただ、不動産業者は「駐車場ビジネス」への投資については慎重な対応を助言。香港の経済が停滞した場合、住民は最初に車を手放すとし「車がなかったら駐車場も不要」だが「住宅を手放すわけにはいかない」と読んでいる。