行方不明のマカフィー氏「命の危険感じている」 元恋人が証言

マカフィー氏所有の敷地

2012.11.19 Mon posted at 17:49 JST

ベリーズ・サンペドロ(CNN) 隣人の死、毒殺された犬、行方不明の億万長者――南国の美しい海を背景に、不穏な事件が展開している。

中米ベリーズで、米インターネットセキュリティー大手マカフィーの創業者ジョン・マカフィー氏(67)の隣人のグレゴリー・フォール氏(52)が銃で撃たれて殺害された事件で、マカフィー氏の元恋人が19日までにCNNのインタビューに応じ、マカフィー氏が身を隠しているのは命の危険を感じているからだと語った。

女性は行方不明後もマカフィー氏と定期的に連絡を取っているという。CNNは女性の許可を得て、マカフィー氏所有の海岸沿いの敷地を訪問。匿名を条件に最近のマカフィー氏の様子について女性から話を聞いた。

女性によれば、マカフィー氏は「命の危険を感じている」という。「彼は恐れを抱き、被害妄想にとらわれている。常に誰かにつけられていると考えているようだ。今は実際にそうなったけれど」と語った。同氏の現在の居場所についてはわからないと答え、「1日に1回くらい」同氏と連絡を取っているという。

17日にはマカフィー氏とみられる人物がブログ上に、逃走やメディアによる自身の描かれ方、ベリーズ政府による「嫌がらせ」に関する記事を投稿。「良心ある全ての人々に読んでもらいたい」と語り、友人や家事手伝いのスタッフなど、当局に拘束されたとする6人の名前を列挙した。

CNNは、このブログがマカフィー氏自身によって書かれたものかどうか確認できていない。

「立ち入り禁止」の看板

事件後にマカフィー氏と電話で話をしたというインターネットの情報サイト「ワイアード」の編集者ジョシュア・デービス氏によると、マカフィー氏の隣人だったフォール氏は、頻繁にマカフィー宅の犬がうるさいと苦情を言っていた。

その11匹の犬のうち4匹が毒殺された後、フォール氏は殺害されたという。なお、マカフィー氏はフォール氏の殺害を否定したとデービス氏は語る。

警察によると、マカフィー宅で働く人物から犬の毒殺について通報があり警察が出動、到着した時には犬が埋められていたという。マカフィー氏は犬を苦しみから解放するために、犬を銃で撃ったと考えられている。目撃者は、警察は犬の頭部だけを持ち帰ったと話す。

警察は現在、犬を撃った銃弾とフォール氏を撃った銃弾が一致するかどうか検証中。マカフィー氏が抱いている懸念について、警察の広報官は「事情を明らかにするために同氏は出てくる必要がある。我々は順法精神を持っている」と語った。

マカフィー氏は1967年にロアノーク大学を卒業後、88年にインターネットセキュリティー企業のマカフィーを立ち上げるなど、複数の技術関連企業を創業。94年にはマカフィー社を去っている。

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