(CNN) 宇宙がまだ40億歳の「子供」だったころに存在した星の光の総量を測定したとする研究成果が、1日付の米サイエンス誌で発表された。
科学者が着目したのは「銀河系外背景光」と呼ばれる光。この光には、初期の宇宙に存在した星々が発した光が含まれ、星の形成や銀河の進化を解き明かす手がかりになるという。
「最初の星々が形成されたころの初期の宇宙を調べることができる。すばらしいことだ」と、論文の共同執筆者であるスタンフォード大学の研究者、マルコ・アジェロ氏は述べた。
専門家によれば、今回の発見は現在の望遠鏡では捉えることのできない銀河の数を推測する手がかりになるという。
銀河系外背景光は、銀河系以外のすべての銀河が発した光の総和で、従来の手法では個々に観測できないような銀河の光も含まれる。その測定のために、研究チームはまず、米航空宇宙局(NASA)のフェルミガンマ線望遠鏡を使い、高エネルギーガンマ線を観測・分析した。
研究チームは次に、宇宙に存在すべきガンマ線量を推計。銀河系外背景光がガンマ線を吸収する性質を利用し、推計値から実際に観測された線量を差し引くことで、背景光の総量を推定した。
この研究によると、銀河系外背景光の大半を占めるのは、望遠鏡によって直接観測できる銀河からの光だ。従って、望遠鏡で観測できないような小さい銀河からの光の量は限られることになる。ここから、初期の宇宙に存在したブラックホールや巨大な星の上限も見えてくる。
「将来出てくるであろう銀河やブラックホールの形成・進化に関するモデルはすべて、この制約を満たす必要があるだろう」と専門家は語った。