「サンディ」の米死者54人に NYの交通一部再開

2012.11.01 Thu posted at 10:47 JST

(CNN) 大型の温帯低気圧「サンディ」で大きな被害が出た米国では、31日までに死者数が54人に達した。上陸から2日経っても多くの地域で停電や洪水が続いている一方、公共交機関が徐々に運行を再開するなど復興の動きも出始めた。オバマ大統領は同日、ニュージャージー州の避難所を訪れ、被災者の救援に全力を挙げると強調した。

サンディによる死者は、31日までに確認されただけでカリブ海で67人、米国で54人、カナダで1人の計122人に上った。同日夜の時点でまだ米東部の約550万世帯で停電が続く。各地で発生した火災はまだ延焼中の場所もあり、洪水に見舞われた地域の多くは水が引かない状態だ。

マンハッタンの病院では地下の浸水で発電機が使えなくなったため、患者700人を避難させている。ブルックリン地区で発生した火災では住宅110棟に延焼した。スタテン島でも高波のために住宅数十棟が破壊され、少なくとも14人が死亡した。

サンディが上陸したニュージャージー州沿岸のトムズリバー地区では、避難命令に従わずに取り残されていた70人が救助された。

まひ状態となっていた公共交通機関は、ニューヨークのバスが31日から通常通りの運行を再開し、通勤列車も一部が運行。地下鉄は一部区間をバスで代替しながら1日に運行を再開する。一方、ニュージャージー州は鉄道もバスもまだ再開していない。マンハッタン周辺の道路は徒歩や自転車で通勤する人であふれている。

ニューヨーク周辺のジョン・F・ケネディ国際空港とニューアーク国際空港は31日に営業を再開し、一部の便の運航を開始した。ラガーディア空港は1日午前7時に営業を再開し、一部の便の運航を開始する。

2日間にわたって休止していたニューヨーク証券取引所は31日に取引を再開し、ブルームバーグ市長が取引開始の鐘を鳴らした。

復旧活動や被災者の救援活動では13州で陸軍兵や空軍州兵1万人あまりが出動したほか、陸軍工兵部隊や沿岸警備隊も対応に当たっている。

サンディは31日現在、5大湖付近にあり、湖岸地域は強風のため洪水の恐れがあるほか、ウェストバージニア州などの一部で積雪が予想される。

日常生活が戻るまでにはまだ相当の時間がかかる見通しで、ニュージャージー州のクリスティー知事は、31日のハロウィーンを11月5日に延期すると発表した。

住宅地が砂に埋まる 「サンディ」猛威の爪あと

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