(CNN) 毎年10月31日は欧州の伝統行事、ハロウィーンの日。米国でも仮装した子どもたちが近所の家を訪ね、お菓子をねだるイベントなどが盛んに行われる。ハロウィーンをテーマにしたお化け屋敷や専門店がシーズン中だけでなく、年間を通して営業する例も増えているようだ。
イリノイ州の小さな町、マウントキャロルには、19世紀の民家を改造した通年営業のお化け屋敷「レーベンズ・グリン・イン」がある。「カラスの笑い」を意味するその名前、曲がりくねった廊下や秘密のトンネル、そして「白い服の女」の目撃談がスリルをあおる。ハロウィーンが終わった後も、あるいは真夏の暑さの中でも、訪れる客は絶えない。
毎日館内の案内に立つのは、経営者のジム・ウォーフィールド氏(63)だ。「昔からハロウィーンが大好きで、ひと晩だけしかできないのが不思議だった。お客さんの笑い声と叫び声を聞くのは楽しくて飽きることがない。95歳になっても続けたい」と話す。
ネバダ州ラスベガスの「ハロウィーン・マート」も、シーズンにかかわらず営業中だ。ハロウィーンが終わって11月に入ると、もう翌年に向けた発注の準備を始めるという。
約2300平方メートルの広大な店舗に仮装用の衣装や装飾品、小道具が並ぶ。店内の通路自体もお化け屋敷として楽しめる。「ラスベガスはパーティーの街。だれもが常に仮装しているし、バーやナイトクラブではシーズンを問わずテーマ・イベントが開かれる」と、副社長のヘザー・ジョージ氏。「当店はあらゆる注文に応じられる。在庫の豊富さはどんな臨時店舗にも負けない」と胸を張る。
全米小売業業界(NRF)によると、今年ハロウィーンを祝う米国人は全体の75%近くに上り、2005年の50%強から急増している。米国人がハロウィーンに費やす金額は計80億ドル(約6400億円)と、過去最高を記録する見通しだ。
ハロウィーン市場は英国でも急成長を示し、今年は5億4900万ドル規模に達するとされる。
英国内のお化け屋敷型アトラクション2500件で構成する業界団体「ホーンテッド・アトラクション・アソシエーション(HAA)」のトップ、パトリック・コノペルスキ氏は「ハロウィーン的なアトラクションは今や文化の一部となっている」と話す。同氏によれば、最近の世代は「参加型」の体験を好む傾向があり、それがハロウィーン人気につながっているという。