土星で大規模嵐、エチレンガスが大量発散 NASA

土星。赤、オレンジ、緑の雲状のものは2010年から11年にかけて発生した大規模嵐の末端部分を示す=NASAの提供写真

2012.10.27 Sat posted at 16:06 JST

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は27日までに、探査機カッシーニが土星で発生した前例にないエネルギー量を放出した大規模な嵐に伴い、土星での探知はまれなエチレンガスの大量の発散を観測したと報告した。

嵐の規模はこれまでになく巨大で、科学者は大気の急激な気温変化をもたらしている嵐の組成物質となったこのエチレンガスの存在にも首をかしげている。エチレンガスの発生場所などについては解明されていない。

この規模のガス性の嵐が地球上で起きたことを想定した場合、北米大陸の上から下までの範囲に届き、地球を複数回にわたって包む可能性があると指摘。NASAの科学者は、これほどの規模の嵐は30年に1回、「土星年」で計算した場合は1年に1回の比率で発生するとしている。

今回の現象を調べているNASAの研究者は声明で、気温の上昇は信じられないほど激しいと報告。地球上で同じ水準の気温の変化を観察するには、真冬のアラスカ州フェアバンクスから真夏のモハベ砂漠へ行くようなことが必要と説明している。

土星。赤、オレンジ、緑の雲状のものは2010年から11年にかけて発生した大規模嵐の末端部分を示す=NASAの提供写真

1997年に打ち上げられたカッシーニが嵐を探知したのは2010年12月5日。この現象の観測を続けているが、エチレンガス発散の発見は予想外の展開だったという。

同探査機の打ち上げにはNASAのほか、欧州宇宙機関(ESA)とイタリアの宇宙研究機関も参加している。

今回の嵐に関する全面的な報告書は学術誌「アストロフィジカルジャーナル」の11月号に掲載される予定。

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