怖いけど見てみたい 米国の「不気味」発見スポット7選

モンタナ州ブッテのバークレーピットの露天採鉱後の穴に酸や有毒な重金属を含む地下水が流れ込んで出来た湖 (C)NASA

2012.10.27 Sat posted at 09:00 JST

(CNN) 不気味な物はどこにでもある。微生物の排泄物で発酵させたパン、怪物のような形をした爬虫類や深海魚、さらに我々人間の血液や内臓も不気味な色や形をしている。

この不気味な物に対する嫌悪感は死への恐怖から来ているのは明らかだが、それは一面的な物の見方だ。医学標本は不気味だが、それによって人体の驚くべき機能が理解できるし、恐ろしい細菌やグロテスクな昆虫も自然の持つ果てしない創造力が具現化したものだ。

たじろぎたくなる衝動を抑え、不気味な物をそのまま受け入れることができれば、多くの発見や楽しみを体験できるだろう。

そこで、今回はすぐにでも「不気味発見の旅」に出られるよう、米国の不気味な場所7カ所を紹介する。

1.バークレーピット(モンタナ州ブッテ)

鉱山跡の湖バークレーピットの不気味な美しさの秘密は汚染だ。27年に及ぶ露天採鉱により、10億トン以上の土や貴重な鉱石が除去された。1982年に採鉱は終了したが、土が除去された後の穴に酸や有毒な重金属を含む地下水が流れ込んだ。

2.ムター博物館(フィラデルフィア)

ムター博物館は、1858年にトーマス・デント・ムター博士がフィラデルフィア外科医カレッジに標本のコレクションを寄贈したのがきっかけで作られた医学博物館だ。

館内には、人間の頭蓋骨や罹病器官の標本の他、耳鼻咽喉科医が人の食道や気管から取り出した2000以上の異物や、日焼けした人間の皮膚の標本など、医学的に珍しい品々が展示されている。中でも興味深いのは、死後、体を完全に鹸化、つまり体内のすべての油脂を石鹸に変えた「ソープレディ」と呼ばれる女性だ。開館時間は毎日午前10時から午後5時まで。

本記事は「Gross America」の著者、リチャード・フォーク氏による特別寄稿です。

マルール国有林の世界最大のキノコ。巨大茸はコロニーを作り、菌床である針葉樹の根を腐らせ、木を枯らしてしまう (C)US Forest Service

3.世界最大のキノコ(オレゴン州マルール国有林)

オレゴン州マルール国有林内に生息するオニナラタケは、世界最大の茸の一部で、その大きさは約7.8平方キロに及ぶ。重さは推定で7567トン~3万5000トンもあり、世界最大の単一有機物だ。

この巨大な茸の大部分を占める根状菌糸束と呼ばれる網のような繊維状の根は地下に潜っているため、外から見えるのは秋に生えるキノコだけだ。

4.カリフォルニア州コルマの共同墓地

コルマの共同墓地は1900年に作られた。当時、サンフランシスコが極度の土地不足に陥り、市議会はコルマに新たな墓地を作り、サンフランシスコ市内の墓地に埋葬されている遺体をすべてそこに移すことに決めた。現在コルマは、総面積の73%が共同墓地で占められ、都市というより多くの墓地をつなぐ道路網といった感じだ。

コルマの墓地には、ワイアット・アープやジョー・ディマジィオなどの著名人も眠っており、コルマ歴史協会が予約制の墓地見学ツアーも行っている。

5.インディアナ医学歴史博物館(インディアナ州インディアナポリス)

この医学歴史博物館は、インディアナ州立精神科病院の研究部門として1897年に設立された。館内には、不気味な医療器具や解剖用器具などが展示されており、中でも最も不気味なのは人間の脳の標本だ。約80点の標本の大半は横断面で薄く切られ、スライドガラスの中に保存されており、顕微鏡で見るとさまざまな神経系の損傷を見ることができる。博物館は、木曜日から土曜日まで一般公開されている。

本記事は「Gross America」の著者、リチャード・フォーク氏による特別寄稿です。

モービッド・アナトミー図書館で特に目を引くのは、まるで人間のようなポーズをしている動物の剥製だ (C)Joanna Ebenstein

6.レイラズヘア博物館(ミズーリ州インディペンデンス)

レイラズヘア(レイラの髪)博物館は、米国唯一の人間の髪で作ったアートに特化した博物館だ。髪の工芸品はビクトリア朝時代に流行し、当時の人々は人間の髪で宝飾品や装飾用のレースなどを作った。同博物館には17世紀に作られた2000点以上の作品が展示されている。開館時間は火曜日から土曜日の午前9時から午後4時まで。

7.モービッド・アナトミー図書館(ニューヨーク・ブルックリン)

この図書館には、一風変わった芸術作品や昔の医薬の個人コレクションが展示されている。またギャラリーや講義を行うためのスペースを備え、たまに擬人化剥製術の講義も行われる。擬人化された剥製とは、例えば、可愛らしい服を着て、まるで人間のようなポーズをしている動物の剥製などだ。入館には予約が必要。

本記事は「Gross America」の著者、リチャード・フォーク氏による特別寄稿です。

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