昨年死去した名司会者に性的暴行疑惑 揺れるBBC

故ジミー・サビル氏

2012.10.26 Fri posted at 17:28 JST

ロンドン(CNN) 英BBCテレビの名物司会者として活躍し、昨年84歳で死去したジミー・サビル氏が、生前長年にわたり少女らに性的暴行を加えていたとの疑惑が浮上して波紋を呼んでいる。

サビル氏はBBCの子ども番組や音楽番組で司会者を務め、ユニークな言動や根気強い慈善活動でも知られていた。

だが昨年10月に亡くなる直前、英ITVテレビが「ジミー・サビルの知られざる一面」と題したドキュメンタリーを放映。業界内では同氏が10代の少女に性的興味を抱いていると噂され、疑われていたとして、悪夢のような人物として描き出していた。

ロンドン警視庁にはそれ以来、手がかりの情報やかつて被害を受けたとの通報が寄せられ続けている。被害を受けた可能性のある人は200人に及び、今月19日の時点でそのうち40人に接触しているという。

サビル氏は70年代、英仏海峡のジャージー島にある児童福祉施設でも暴行を重ねていたとの主張もあるが、地元警察によると十分な証拠は得られていない。

80歳の誕生日を迎える直前のサビル氏

BBCは1960~70年代に同氏による虐待の舞台になったとみられ、局内にセクハラを容認する風潮があったのではないかと批判されている。当時からBBC系の音楽ラジオ局でDJの仕事をしていたという女性は、生放送中にサビル氏に体をさわられ、だれかに話しても信じてもらえなかったと訴える。

BBCはまた、2011年に同局の報道番組「ニューズサイト」でサビル氏の問題を追及しようとしたものの、結局中止されたとの問題も浮上している。

当時のトップ、マーク・トンプソン元会長は22日に声明で、番組での問題追及について「知らされていなかった」と述べた。だが翌日の米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、昨年12月に同氏に調査のことを話したというBBCの記者の話を掲載。トンプソン氏は「正式には通知されていなかった」と説明するなど、釈明に追われた。

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