重視すべきは仕事の成果、労働時間にとらわれないコツは?

2012.11.16 Fri posted at 09:00 JST

(CNN) 私は、米首都ワシントンの法律事務所で働いていたとき、複雑な取引について金融機関に助言する仕事を専門としていた。質問には大抵、迅速に答えられたので、顧客はハッピーで、私自身も余暇の時間を持てた。しかし、顧客への請求金額と私への報酬は費やした時間で決められていたので、私の能率の高さが裏目に出てしまっていた。

多くの組織では(時間ベースで請求額を決める組織でなくても)、労働時間の長さを高く評価しすぎている。夜遅くまで働く人間のほうがより高く評価され、出世も早いことがある。

幹部職や専門職の従業員の評価は、仕事に費やした時間ではなく、専門的知識を用いて生み出した価値により評価されるべきである。組織の経営幹部は、積極的にそのような体制を実現しなければならない。

しかし、あなたが組織の方針を変更できるような立場には無い場合にはどうすればよいのだろうか。以下のような方法を用いれば、自分の手が届く範囲の中で、より効率的に勤務時間を使い、余暇の時間も確保することで、労働時間ではなく仕事の成果に集中することが出来るようになるだろう。

優先順位を明確にする

優先順位の低い仕事を完璧にするために多くの時間を費やすのをやめよう。達成する成果よりも労働時間の長さを重視すると、重要ではない仕事を完璧に仕上げるために時間を使っていても、ちゃんと仕事をしている気になってしまう。

言うほど簡単ではないだろうが、どの仕事が、あなた自身、上司、そして組織にとって真に重要なのかを良く理解して、重要でない仕事は完璧でなくともよしとしよう。

会議を徹底的に避ける

会議の多くが驚くほど無駄であるというのは多くの専門家の一致した見方だろう。たいていの会議は時間がかかりすぎ、具体的な成果は出ず、ときには不必要なものさえある。労働時間重視の考え方の下では、重要でない仕事に完璧さを求めるのと同様に無駄だらけの会議が多くなる。

会議の代わりになるべく電子メールで済ませ、上司以外から呼ばれた会議は出来るだけ断るなどして積極的に会議への参加を減らそう。

充電を忘れない

オフィスで過ごした時間を重要視しすぎる組織が、オフィス以外で過ごす時間の重要性を軽視してしまうことは、コインの裏表の関係だ。

職場で能率的に仕事をするためには、肉体的にも精神的にも充電できることが必要である。

毎日の運動と十分な睡眠を

忙しいときには運動と睡眠の時間が犠牲にされがちだが、私の経験では、これは仕事の能率や成果にとっては逆効果だ。

可能であれば毎晩7~8時間は眠るようにし、何かのスポーツチームに加わりチームメートからプレッシャーを受けるようにするなどしてでも、毎日のように軽い運動をするようにしよう。

燃え尽きは避ける

長時間労働は精神を消耗させる。いつも毎晩遅くまで、そして週末まで仕事をする人がいる。こういった働き方は短期的には成果を挙げられても、燃え尽きて能率が低下することは避けられない。家族との時間などを理由に上司にも掛け合い、積極的に余暇の時間を確保しよう。

声を上げることを恐れない

早く退社したいと申し出るだけで、「怠け者だ」「協調性に欠ける」などとみなされることもあるため、言うほど簡単ではないことは確かだ。しかし、常には認められなくとも、きちんと申し出さえすればマイナスの評価を受けることは無いはずだ。

信じるか信じないかは別にして、ほとんどの上司は、部下が家族との時間が欲しいことは分かっている。だが上司も、あなたが必要なものを知らなければそれを与えることは出来ない。

本記事は、ハーバード・ビジネススクールの上級講師、およびブルッキングス研究所の上席研究員を務めるロバート・ポーゼン氏によるものです。記事における意見や見解は全てポーゼン氏個人のものです。

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