(CNN) 海外旅行で現地の言葉が話せないと、あいさつや依頼、簡単な買い物など、あらゆる場面で不自由さを感じる。
言語学習はその国の文化を理解する最良の方法の1つだ。ならば、いっそ休暇で外国に滞在している間にその国の言葉を学んではいかがだろうか。
その際、教室で学ぶのも1つの方法だが、世界には、バーで互いの母国語を教え合ったり、セーリングや料理、ロッククライミングをしながら言葉を学んだりと、現地の人々と対話しながら現地の言葉が身に付く素晴らしい学習法が存在する。今回は、現地の言葉を楽しく、効果的に学習できる世界5カ国の語学学校やイベントを5つ紹介する。
1.スパングリッシュ・エクスチェンジ(アルゼンチン・ブエノスアイレス、スペイン・マドリード)
スパングリッシュ・エクスチェンジは、語学学習教室とお見合いパーティーが合体したようなイベントで、2、3時間の間、英語とスペイン語のネイティブスピーカーたちが短時間で相手を変えながら会話をする。
その仕組みはこうだ。参加者は10分置きにテーブルと話し相手を変える。そして5分間は英語で、もう5分間はスペイン語で、人生について語り合う。どちらも相手の母国語が上手に話せなくても、必ず両方の言語で話さなくてはならない。
このイベントは週に数日、夕方にブエノスアイレスのヒスパニック系住民の居住区やマドリードのレストラン、バー、クラブで行われている。
2.パルレ・パーラー・カンバセーション・グループ(フランス・パリ)
パリで地元の人々と知り合い、さらにフランス語に磨きをかける手っ取り早い方法を探しているなら、パルレ・パーラーがお勧めだ。この会では、パリ中心部の2カ所で週3回、英語とフランス語のネイティブスピーカーたちが自由な会話を楽しんでいる。
14年前に設立された同グループの会員の出身国は45カ国に上る。毎回、英語とフランス語のネイティブスピーカーが6~8人のグループに分かれて45分間ずつ、英語とフランス語で会話をする。
設立者の1人で、アメリカ人のエイドリアン・リーズさんは「この活動には、大きな癒し効果があると考える。参加者は、実生活で何があろうと90分間会話をし、別のことを考えることになるので、グループ・セラピーセッションのような効果が期待できる」と語る。
3.京都民際日本語学校(京都)
ここは、初めて日本語を習う初心者と、日本語能力検定試験を目指す上級者のどちらにも対応している。午前と午後に行われる2~10週間の短期集中コースは、平日4日間の教室での学習と週1回の校外学習で構成される。
同校は、生徒に日本の文化や生活を紹介する「生きた」日本語教育を目指している。指導は厳しく、最も初歩的な授業もすべて日本語で行われる。
寮も完備しており、生徒はこの学校で日本語を学びながら、京都の豊かな歴史、ハイテク都市の雰囲気(ゲーム大手の任天堂は京都に本社を置く)、文化芸術、知的提供物(京都市民の約1割が大学に在籍している)を満喫できる。
4.インスティテュート・デ・レンガヘ(メキシコ・プエルトエスコンディード)
世界レベルのサーフィンと学習に関心がある人には、メキシコのインスティテュート・デ・レンガヘをお勧めする。この学校では、スペイン語の少人数レッスンとプライベートレッスンを提供している。同校は、アカプルコの南約200マイル(約322キロ)、オアハカ州の沿岸の村に拠点を置き、メキシコ文化の教育に力を入れている。
ここの生徒は、日課としてサーフィン、料理のレッスン、サルサダンス(すべてスペイン語で行われる)をしながら、スペイン語を学ぶ。課外活動が多いが、あくまで語学学習が最優先だ。教師は中南米およびメキシコ出身者で、スペイン語を母国語とし、全員英語も話せる。
また割安なバンガローやワンルームアパートなどの宿泊施設があり、さらにホームステイの斡旋もしてくれる。
5.ベラ・アンド・リングア(イタリア・エルバ島)
イタリア語とセーリングを同時に学びたいなら、イタリアの語学学校ベラ・アンド・リングアの語学学習プログラムがお勧めだ。ベラ・アンド・リングアはイタリア語で「セーリングと言語」を意味する。同プログラムの開講時期は通常5月から9月までだが、生徒の集まり具合や天候次第で開講期間を延長する場合もある。
同プログラムには、平日の午前中に少人数でイタリア語を学び、土曜日にヨットでエルバ島まで航行するコース、週末に語学学習とセーリングをまとめて行うコース、さらに丸1週間セーリングをしながら、イタリア語とセーリングを学ぶコースがある。